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中國の民主政治建設

四、中國共産黨の指導する多黨協力と政治協商制度


どのような政黨制度を実行するかは、その國の性質、國情、國家利益と社會発展の要求によって決定付けられている。中國の政黨制度は西側諸國の二黨あるいは多黨競爭制と異なり、一部の國の実行する一黨制とも異なる中國共産黨の指導する多黨協力と政治協商制度である。この政黨制度は中國共産黨と民主諸黨派が中國の革命、建設、改革の長期にわたる実踐の中で確立し、発展させてきたものであり、中國共産黨と民主諸黨派が困難を共に切り抜け、団結、奮闘してあげた成果であり、現代における中國の基本的政治制度である。

現在、中國に九つの政黨がある。中國共産黨のほか、中國國民黨革命委員會(1948年成立)、中國民主同盟(1941年成立)、中國民主建國會(1945年成立)、中國民主促進會(1945年成立)、中國農工民主黨(1930年成立)、中國致公黨(1925年成立)、九三學社(1945年成立)、臺灣民主自治同盟(1947年成立)がある。これらの政黨はほとんどが中國人民抗日戦爭(1937-1945年)期と解放戦爭(1946-1949年)期に、民族解放と人民民主を勝ち取る闘爭の中で創立されたため、「民主黨派」と稱されている。今日の中國では、民主諸黨派はこれらの黨派がそれぞれ関係を保っている一部分の社會主義勤労者、社會主義事業建設者、社會主義を擁護する愛國者からなる政治連盟である。無黨派人士も中國の政治活動に參加する重要な力である。無黨派人士とは、いかなる黨派にも參加せず、社會に積極的な貢獻と一定の影響を與える人士を指し、その主體は知識人である。

中國の政黨制度の著しい特徴は、中國共産黨が指導し、多くの黨派が協力し、中國共産黨が執政し、多くの黨派が參政することである。民主諸黨派は中國共産黨と団結、協力する親密な友黨と參政黨であって、反対黨や野黨ではない。民主諸黨派は國家政権に參加し、國の大政方針と指導者の人選に関する協商に參與し、國家事務の管理に參與し、國の方針?政策、法律?法規の制定と実施に參與する。

中國では、中國共産黨と民主諸黨派は共通の奮闘目標を持っている。中國憲法の規定によれば、「中國共産黨の指導する多黨協力と政治協商制度は長期にわたり存在、発展する」。中國共産黨と民主諸黨派の協力の基本的方針は、「長期にわたって共存し、相互に監督し、肝膽相照らし、栄辱をともにする」ことである。中國の國情と國家の性質は、中國共産黨の指導が多黨協力の重要な前提と根本的保証であることを決定付けている。同時に、この種の指導は単なる一手引き受けではなくて政治的指導である、つまり政治的原則、政治的方向と重要な方針?政策に関する指導である。中國共産黨と民主諸黨派は憲法を根本的活動の準則とし、憲法の尊厳を守り、憲法の実施を保証する職責をもっている。

中國人民政治協商會議は中國人民愛國統一戦線の組織であり、中國共産黨の指導する多黨協力と政治協商の重要な機構であり、中國の政治活動で民主を発揚する重要な形式でもある。中國人民政治協商會議全國委員會は、中國共産黨、民主諸黨派、無黨派人士、各人民団體、各少數民族、社會各界の代表、香港特別行政區同胞、澳門特別行政區同胞、臺灣同胞、帰國華僑および特別招請人士などの人士によって組織されている。中國人民政治協商會議全國委員會では、主席、副主席若干人、秘書長が置かれ、一期の任期は5年で、全體會議は年に一回開かれる。各省、自治區?直轄市には中國人民政治協商會議の省?自治區、直轄市委員會が設置され、自治州、區を設置している市、県、自治県、區を設置していない市、市轄區などおよそ條件のあるところでは、いずれも中國人民政治協商會議の當該地方の地方委員會が設置され、任期は5年で、全體會議は少なくとも毎年一回開かれる。人民政治協商會議は団結と民主という二大テーマをめぐって活動を繰り広げ、政治協商、民主監督、參政議政の機能を履行する。中國人民政治協商會議は國の政治活動、社會活動、対外友好活動と現代化建設、國家の統一の団結の擁護の中で、重要な役割を果たしている。中國共産黨と各クラスの政府は大政方針および政治?経済?文化?社會活動の重要な問題について、それを決定する前と執行する過程で人民政治協商會議で協議を行い、各方面の意見を広く聴取する。これは中國共産黨と各クラスの政府が政策決定の科學化と民主化を実現させる重要な一環である。

國の政治と社會活動における中國共産黨の指導する多黨協力と政治協商制度の重要性はたえず大きくなっているが、具體的には以下のいくつかの方面に表れている。

――中國共産黨と民主諸黨派、無黨派人士の政治協商がちくじ制度化、規範化している。中國共産黨中央は重要な政策を決定する前、一般には民主諸黨派の主要な責任者および無黨派の代表人士を招いて民主協商會、小範囲の懇談會、座談會を開いて、情況を通報し、意見を聴取し、國の大方針について協議するようにしている。會議での協議のほか、民主諸黨派の中央は書面で中國共産黨中央に提案を行うことができる。協議の主な內容は、中國共産黨全國代表大會と中國共産黨中央の重要な文書、憲法と重要な法律に対する改正提案、國家指導者の人選に対する提案、改革?開放推進に関する重要な決定、國民経済と社會発展に関する中?長期計畫、國家の全局に関する若干の重要な問題、重要な文書と重要な情況の通報と意見聴取、および民主諸黨派と協議する必要のあるその他の重要な問題が含まれている。2003年と2004年に中國共産黨の指導者が自らまたは関係部門に依頼して開いた各種の協議會、座談會、通報會は36回に達し、そのうち、中國共産黨中央委員會総書記の主宰したものが13回ある。

――民主諸黨派のメンバー、無黨派人士は人民代表大會で重要な役割を果たしている。民主諸黨派のメンバーと無黨派人士の代表は全國人民代表大會、全國人民代表大會常務委員會と専門委員會で、いずれも適當な比率を占めている。彼らは人民代表大會で民意を反映し、國家の重要な政策決定、法律制定、政府監督に參與する。2003年の任期満了に伴う改選のあと、彼らの中の17萬6000人が全國各クラスの人民代表大會代表となり、その中に全國人民代表大會常務委員會副委員長が7人、全國人民代表大會常務委員が50人、省クラス人民代表大會常務委副主任が41人、省クラス人民代表大會常務委員が462人、市クラス人民代表大會常務委副主任が352人、市クラス人民代表大會常務委員が2084人いる。

――民主諸黨派のメンバーと無黨派人士は各クラスの政府と司法機関の責任者を擔當している。2004年末現在、各クラスの政府と司法機関で県?処クラス以上の指導的職務を擔當する民主諸黨派のメンバーと無黨派人士は3萬2000人おり、そのうち、最高人民法院、最高人民検察院、中央國家機関の関係部?委員會の指導的職務を擔當する人が19人、全國の31の省、自治區、直轄市の副省長、副主席、副市長を擔當する人が27人、全國の397の市(自治州、盟、區)人民政府の副市(自治州、盟、區)長を擔當する人が354人、省クラス法院副院長と検察院副検察長を擔當する人が19人、地區クラス市の法院副院長と検察院副検察長を擔當する人が87人いる。彼らは中國共産黨の幹部と互いに支持しあい、國家機関で重要な役割を果たしている。

――民主諸黨派と無黨派人士は中國人民政治協商會議で重要な役割を果たしている。民主諸黨派と各界の代表人士は人民政治協商會議で意見を述べ、提案を行うことによって參政議政している。民主諸黨派のメンバーと無黨派人士は各クラスの政治協商會議委員、常務委員と指導者の中でわりに大きな比率を占めており、2003年の任期満了に伴う改選のあと、全國各クラスの政治協商會議委員を擔當する人が33萬7000余人に達した。第10期全國政治協商會議の委員と常務委員の中で、民主諸黨派と無黨派人士はそれぞれ60.1%と65.2%を占め、24人の副主席の中で13人を占めている。

――民主諸黨派と無黨派人士は多ルート、多形式で執政黨の活動に対し民主的監督を行っている。監督の主な內容は、憲法と法律?法規の実施狀況、中國共産黨と政府の重要な方針?政策の制定とその貫徹?実行狀況、中國共産黨の組織と黨員指導幹部の職責履行、清廉施政などが含まれている。ここ數年來、政府部門と司法機関は、民主諸黨派のメンバーと無黨派人士を特約人員として招聘し、彼らを黨風清廉建設活動に対する検査、その他の特別検査と執法監督活動に參加させ、民主監督のルートをいっそう広げ、監督活動をたえず強化している。

――民主諸黨派と無黨派人士は積極的に改革?開放と現代化建設事業に參與し、祖國統一の大業と社會の全面的進歩を推進するためにたえず提案、獻策している。1989年以來、民主諸黨派の中央は中國共産黨と國の活動の大局および國民経済と人民生活にかかわる重要な問題をめぐって調査?研究を行い、特に経済建設、平和的統一の二大任務をめぐって、前後して中國共産黨中央、國務院および関係部門に重要な提案を180件近く行い、地方組織に提案を8萬件余り行ったが、その多くは受け入れられた。民主諸黨派の各クラスの地方組織は4萬余件のコンサルティング?サービスを提供し、各級各種學校を1000余校創立し、各級各種専門人材を延べ300萬人育成、訓練した。

2005年2月、中國共産黨は「中國共産黨の指導する多黨協力と政治協商制度建設のいちだんの強化に関する中國共産黨中央委員會の意見」を公布し、多黨協力と政治協商の歴史的経験と成功を収めたやり方を総括する基礎の上に、多黨協力と政治協商の原則、內容、方式、プロセスなどをいちだんと明らかにし、中國の特色をもつ社會主義政黨制度を健全にし、整備する方向をはっきりと指し示した。

中國共産黨の指導する多黨協力と政治協商制度の政治的強みは、広範な民主的參與を実現させ、民主諸黨派、各人民団體と各界人士の知恵を集中して、執政黨と各クラス政府の政策決定の科學化、民主化を促進することもできれば、集中統一を実現させ、各方面の大衆の利益と要求を統一的に考慮し、適當に按配することもでき、また一黨執政に監督がないという弊害を避けることもできれば、多くの黨が爭い、互いにあつれきして政治混亂と社會の不安定と不団結をもたらすのを避けることもできることにある。