大理にたどりついたときには、日はすっかり暮れていた。ライトアップされた夜の古城には、優(yōu)雅で神秘的な雰囲気が漂っていた。
南門から古城の中に入ると、まず目に入るのが城門に刻まれた大きな「大理」の二文字だ。これは後世の人が、郭沫若の筆跡を集めて刻み込んだものである。城內(nèi)の街道をそぞろ歩きしてみることにした。晝間の喧騒を逃れた夜の古城の、足元に広がるでこぼこの「引馬石」や燈火揺らめく道端の店舗などを眺めていると、かつて重い荷物を背負(fù)ったキャラバンがチリンチリンという鈴の音と馬のひづめの音を響かせながら、一列になって城門をくぐってゆく情景に想いをはせずにはいられない。
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プーアル磚茶を作る下関茶工場の従業(yè)員 |
古城は1982年に大がかりな修復(fù)工事を経て、大理ペー族自治州の主要な観光スポットの一つとなった。観光客は晝間は古城を見物し、日が暮れると、「洋人街(ウエスタン?ストリート)」の名を慕って護(hù)國路に足を運(yùn)び、お茶を飲んだりしながらひと休みする。そこにはそれぞれ特色あるバー、レストラン、ホテル、茶館などがびっしりと軒を連ねている。ペー族の民家を改造したバーや茶館に腰を下ろし、音楽を聴きながらお酒を飲んだりお茶を楽しんだりするのは、また格別の味わいである。とりわけ外國人の観光客には、大人気だ。
次第に夜も更け、暗い明かりの下、通りのまばらな人影も少しずつ消えてゆく。殘されたのは、夜空にまたたく星と靜かな夜の景色だけであった。