米紙『TIME』に掲載された文章。原題:中國の街にあふれる電動自転車
過去30年間に変化した中國のすべての事柄の中で、交通は最も著しい変革を遂げた。過去、街には自転車があふれていたが、今では自動車が途切れることなく走っている。自動車が交差點を塞ぎ、渋滯が起きている。自動車の排気ガスで大気は汚染され、耳障りなクラクションが鳴り響いている。しかし、別の交通革命が今まさにこの渋滯をすり抜けようとしている。それは燃料を燃やさず、排気ガスを出さないもので、かつ靜かで歩行者たちを驚かせることもある電動自転車である。
中國では、電動自転車が自動車の地位を脅かしている。昨年、中國が買い付けた電動自転車は2100萬臺で、自動車の買い付け臺數は940萬臺だった。中國では2500萬臺の自動車が走っているが、電動自転車の數はその4倍に上る。政府の奨勵と「自転車通勤族」のおかげで、中國はこのような安価で地球に優しい乗り物の世界最大市場となり、自動車の増加による悪影響を帳消しにしている。実際、世界のエンジニアが環境保護のハイブリッドカーの研究開発に勤しむ中、中國はすでに先駆者となっている。ゼネラル?モーターズのエンジニアであるフランク?ジェムソン氏は、「中國で今起きていることは未來の何らかの糸口だ」と話す。
電動自転車が繁栄したのは中國の政策の功績が非常に大きい。政府は1991年、電動自転車の研究開発を正式に技術目標とした。中國の大都市には広い自転車用の道路があり、ピーク時でも混み合う車を避けて走ることができる。上海のような都市においては、當地政府がここ數年でガソリンオートバイの免許の費用を大幅に引き上げており、これらの消費者は電動自転車に移っている。
|