投資による牽引では誰が主體になるのか。現在の投資の出所は主に財政投資と貸付資金だ。今後はこのほかに、様々な利益情況に基づいて、民間投資、海外からの投資、社會機関による投資など、多元的な投資主體の育成に努める必要がある。農村部での投資では、多くの銀行が資金を貸し出してはいるものの、回収できていないケースがままある。これは実に政策と営利性との矛盾だ。農村投資の拡大は最も大きな政策的問題であり、銀行は最も典型的な営利機関であり、両者の矛盾をどうしたらよいのだろうか。私は昨年、「市場と政府とが助け合い結びついた都市部?農村部の金融リソース配分システムの構築」という見方を提起した。この問題は複雑といえば複雑だし、単純といえば単純だ。というのも、ポイントは「銀行が資金を貸しだし、財政がこれを補助し、確実に回収し、より多くの牽引効果を上げる」ということに盡きるからだ。たとえば、銀行が100億元を投入した場合、數年後に利息を合わせて110億元を回収すればよいのだが、実際には90億元しかできなかった場合でも、財政が20億元を補助すれば問題は片づく。財政が200億元の投資を行ってもただ200億元が動くだけだが、この200億元が補助に回るならば1千億元の投資を動かすことが可能になり、より多くの牽引効果が生じることになる。
現在、中國が投資によって國內総生産(GDP)を牽引しているのはやむを得ないことだ。中國の投資が毎年1%増えれば、GDP成長率を0.2ポイント引き上げることができる。個人消費が毎年1%増加すれば、GDP成長率を0.8ポイント引き上げることができる。こうした観點からみて、経済発展を推進する段階的な動力は投資であり、根本的な動力は消費であることがわかる。投資の最終目的もニーズを満たして消費を促進することにある。投資による消費の促進と消費による投資の牽引という問題を研究し、投資と消費とが相互に転換し合うルートを構築し、投資と消費とが徐々に両立するようにし、「投資→雇用→収入→消費→成長」という好循環を形成しなくてはならない。現在の具體的措置として、これまで述べてきたことのほかに、投資支出が収入に転換する割合を一層高め、低所得層の所得水準を引き上げてその消費力を強化することも必要だ。なぜなら現在、消費力のある人には消費ニーズがなく、消費ニーズのある人には消費力がないという問題が生じているからだ。消費ニーズのある人の消費力の問題を解決してこそ、本當の意味で消費を拡大することが可能になる。
「人民網日本語版」2009年12月10日
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