中國人民銀行(中央銀行)が12日に発表したデータによると、第1四半期の人民元建て新規融資額は2兆6千億元(約35兆5162億円)となり、前年同期の4兆5800億元(約62兆5632億円)から大幅減少した。ただ、取材を受けた専門家はいずれも、2兆6千元の増加は依然として高い水準にあり、実體経済の資金需要は旺盛で、銀行融資は今後も合理的な増加を保つと見ている。
▽第1四半期の融資増加は合理的範囲
アジア開発銀行(ADB)中國駐在員事務所の上級エコノミスト莊健氏は新華社の取材に対し、「1-2月の融資の伸びは明らかに過熱気味で、3月の伸び率5千億元(約6兆8300億円)増は前年同期の1兆8900億元(約25兆8175億円)より大幅減少したものの、相対的に見て適切かつ合理的な範囲に収まっている」との認識を示した。
交通銀行のチーフエコノミスト連平氏は「今年の新規融資目標7兆5千兆元(約102兆4506億円)を全體として計算すれば、2兆6千億元の増加は年間目標の34%にあたり、過去の規則性に基づけば、30%から40%の比率は合理的な範囲だ。監督管理部門が求めるバランスの取れた融資とも合致する」と述べた。
一般的に、第1四半期の融資増加はその年の融資の増加規模を決めると言われる。昨年第1四半期、中國の新規融資額は4兆5800億元で、年間新規融資額の45%以上を占める。第1四半期のこの高すぎる比率がその後の先細りを招いた。これを受けて、中國人民銀行と中國銀行監督管理委員會は昨年上半期、融資のバランス調整を行う方針を打ち出した。
中國人民銀行は同報告書の中で、第1四半期の通貨貸付は合理的な成長で、経済回復の兆しをさらに確かなものとした、としている。