林國本
さいきん、メディアで內蒙古自治區の草原地帯に、広大な面積にわたって、風力発電施設がつくられていることが伝えられた。この地域の責任者はやがては50%の電力を風力でまかなうことになる、と語っている。
テレビの映像を見ると、かなり先進的なもので、付近の草地ではヒツジが放し飼いされていた。地元の牧畜民の話では自分の子供たちも遠くへ出稼ぎに行く必要もなくなり、地元で風力発電設備の保守メンテナンスの技術を學んで、熟練工になる道がひらけた、ということだった。道路建設も著々とすすみ、バスも通じるようになり、地域の開発にもプラスとなっているということだった。
中國の西北部や沿海部では、かなり風力資源に恵まれたところもあり、風力発電に適している地域がかなりあるので、將來的には有望であろう。
しかし、數年前友人の推薦で中日両國の企業の風力発電についてのセミナーの同時通訳のお手伝いをしたとき、風というものは毎日吹くものではないので、限界のあることも知った。また、蓄電池の開発も不可欠であることも知った。そういうことで、中國の技術者もたえずそういう課題の解決に取り組まなければならないだろう。要するに、人類はたえず難問を解決する中で成長、進化してきたのだ。考えてみても分かるように、往時、ライト兄弟が航空機を開発した時も、今日のジャンボジェット機の時代を想像できなかったはずである。