中國の都市部では社會プールと個人口座を組み合わせた年金制度を採用しているが、個人口座の積立金を社會プール部分の赤字補填に流用し、個人口座が空になるという「空口座」問題が発生している。このほど、この「空口座」の総額が約1兆3000億元にのぼることが分かった。中國社會科學院世界社會保険研究センターの鄭秉文主任が中國?ラテンアメリカ年金制度國際シンポジウムで明らかにした。
ラテンアメリカに學んだが
「ラテンアメリカの國々と比べると、中國の制度は成功したとは言えない」。鄭主任は、1兆3000億元の「空口座」は中國がラテンアメリカの年金制度を學んで上手くいかなかったことを物語っていると指摘。ラテンアメリカの年金制度改革は債券引受方式で行われ、制度転換のコスト問題を上手く解決したが、中國はこの問題を解決できていないと分析した。
ある政府関係者は、「空口座」問題について過剰に心配する必要はないと話す。中國はラテンアメリカとは異なり、年金赤字が発生しても國がそれを引き受けることができるとしたうえで、個人口座の資金は當期の年金の給付に使われるが、これには國の信用保証があり、年金加入者の権益が損なわれることはないとの見方を示した。