9月末、海外メディアが「中國がレアアースの輸出を制限、さらには禁止する」と言うデマを流したあと、歐米諸國では「資源危機の崖っぷちに居る」だの、「中國、歐米諸國に『レアアース戦爭』を仕掛ける」だのと言った憶測が亂れ飛んでいた。世界中に埋蔵されているはずのレアアースは中國が世界を脅す「武器」のように言われている。獨「毎日鏡報(Daily Mirror)」は、北京在住のドイツ経済界関係者のこのような話を載せた。「中國がレアアースを武器に世界を弄んでいるのは、いつかOPECが石油を弄んでいたのと同じである。」また米「新聞週間(News Week)」も、「レアアースは中國の貿(mào)易パートナーである國々の頭上に吊り下げられている『ダモクレスの剣』である」と稱した。現(xiàn)在、世界のレアアース生産量は1年間で12萬トン、概ね需要を満たしている。しかし、獨「経済」週間紙は、2012年には世界のレアアース消費量は1年間18萬5000トンに達すると予想している。「レアアース恐慌」や「レアアース戦爭」に不安を感じ、歐米諸國は夜も眠れないようだ。
そして、最も危機感を募らせているのが、レアアースの埋蔵がなく、且つ最大の消費國である日本だ。20年分困らないだけのレアアースを中國から安く購入はしているが、結(jié)局はリーズナブルなレアアースが手に入る供給國を探し始めている。インドは10月24日、日本とともにレアアースの開発を行なうことを発表した。インドは世界でも5番目にレアアースを多く産出している國であり、明らかになっているだけでも世界全體の3%を占める310萬トンの埋蔵量を抱え、生産量においては世界の2.2%を占める。第二次世界大戦後、インドのレアアース鉱石の供給量は世界全體の半分を占めていた。日本共同通信社によると、日本はインド東部のオリッサ州にネオジム磁石からレアアースを精製する工場を建設する予定であり、毎年3000~4000トンの生産量を目指している。英ロイター通信は、インドがレアアースを生産するのは2004年以來だと報じた。インドのカピル?シバル元外務次官は「インドは、日本と中國が政策でもめているこの絶好の機に、中國に致命傷を與えようとしている。しかし、かといって日本にレアアース鉱石を直接採掘させることは無いだろう」と言った。
東南アジアの中でレアアース埋蔵量が最も多いベトナムも日本の標的である。ベトナム資源環(huán)境局の阮文徳副局長は「日本がベトナムのレアアースに目を付け始めたのは3,4年前である」と漏らした。少し前にハノイで行なわれた東アジアサミット(EAS)において、菅直人首相は太っ腹にも、ベトナムのインフラ整備と発展のために790億円の助成金を提供すると言った。その見返りに求めたのがレアアース開発権だったのだ。両國の企業(yè)はすでに埋蔵量が豊富なベトナムのDong Pao(ドンパオ)?レアアース鉱床の研究調(diào)査に乗り出しており、毎年5000トンのレアアース鉱石を日本に供給する予定だ。これは日本のレアアース需要の20~25%を占め、20年間持続できると言う。しかし、ベトナム國內(nèi)ではレアアース資源を自國で保存し、今後の國家建設に活用すべきとの聲も上がっている。「環(huán)球時報」の記者は「日本はベトナムにおいて今後、環(huán)境保護の面で大きなプレッシャーを感じることになる」との見方を示した。9月25日、日本はカザフスタンとも共同開発で同意しており、韓國が長年獨占してきたカザフスタンのレアアースが日本にも解禁された。また、モンゴルとも共同開発をすることで意見が一致している。しかし、モンゴルにレアアースが埋蔵されていると言うのはまだ憶測に過ぎない。中國の內(nèi)モンゴルにあるから、モンゴルにもあるのではないかと言う推測段階だが、日本は400億円を注ぎ込む予定である。
「レアアース恐慌」に脅えているのは他にもヨーロッパ連合が挙げられる。EU諸國には採掘ができるほどのレアアースは埋まっていない。電気回路、コンピューター、磁石、車などのレアアースを回収し再利用することで賄っている。獨「明鏡(デア?シュピーゲル)」週間紙は、「ドイツ経済界では、レアアースを使い切ったため會社は生産制限に追い込まれているとの企業(yè)報告が上がった」と報道した。EU諸國は今、レアアースの代用品になるものを探している。獨「世界報(ディ?ヴェルト)」新聞によると、ドイツBASFグループのアジア太平洋地域擔當取締役のマーティン?ブルーダーミュラー氏は「今回の危機はドイツの工業(yè)界が新しいものを生み出すモチベーションになる。資源開発チームを立ち上げる予定だ」と話しているそうだ。
「中國網(wǎng)日本語版(チャイナネット)」2010年11月16日