もうひとつは、WTO加盟により、中國の小売業は大打撃をこうむることになるのではないか、と見ていた國外の一部の人たちの杞憂も的はずれであったことが明らかになった。今ではクルマで外資系のショッピングモールに乗り入れて、北歐製やその他の國産のチーズやバター、ハム、ソーセージを買って帰ることが中國の大都市の「ホワイトカラー」のライフスタイルとなっている。
私の長年たずさわってきたジャーナリズムの仕事もウェブ化が進むにつれて様変わりしている。私見ではあるが、私の後輩たちの方が私より有能であるように感じることが多くなった。さいわい、私は日本語や英語などを人一倍かじってきたので時代の流れに振り落とされることはないが、しかし、內心、新しいフロンティアの開拓に努めなければ、日本の評論家が言っているような「世捨て人」になってしまうに違いない。
中國は宇宙ステーションを作ることを構想する時代に入った。北斗測位衛星による自前のナビゲーションシステムも構築される時代に入った。日常生活では若者たちがIPAdを楽しみ、Eコマースを上手に使いこなす時代になった。世の中の移り変わりはめまぐるしいものがある。
今年は中國共産黨成立九十周年の年に當たり、いろいろな祝賀行事が用意されている。私もそれに関する文書の監修を依頼されたりしているが、そういうものにもう一度目を通す中で、中國がここまで來るには並大抵ではなかったことを痛感している。私たちの今日のために礎(いしずえ)となった先人たちのことは忘れてはならない。そして中國の本當の意味での近代化のために、バトンタッチを続けていく必要性を痛感している昨今である。これからの30年には中國はガラリと変わることは間違いなく、自分もたえず革新していく必要があると思っている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月30日