「大浦東」と「大虹橋」に続き、上海にまた一つ大型エリアが誕生することになった。上海市市政府は8日、盧灣區?黃浦區両行政區の調整方案が國務院の認可を得たと明らかにした。両區は合併し、新たに黃浦區が設立される。合併関連手続きは現在進行中という。國際金融報が報じた。
上海社會科學院部門経済研究所の楊建文所長はこれについて、「上海の浦西中心部の一部は、管轄地域が極めて小さく、発展が期限されており、もともとある區畫は発展ニーズに対応することができなくなっている」と指摘した。「撤二併一(両區を撤廃して一區に統合すること)」は、都市機能の合理化に有益に働き、行政管理効率をアップする。また、別の専門家は、「浦西の心臓部である両區の合併によって、新しく世界レベルの中央商務エリア建設が促進され、浦江を隔てた対岸にある『大浦東』と共に良性な循環を形成することは、上海國際金融センター建設にとって大きな意義がある」との見方を示した。
盧灣區は4月1日に、合併に備え財政を凍結させた。新しい「黃浦區」の誕生は7月に迫っている。
▽エンジン始動
盧灣區と黃浦區の合併は、上海の長期発展に関わる一大事業だ。両區はいずれも、上海中心市街地の心臓部にある。黃浦區は面積12.49平方キロメートル。盧灣區は面積8.03平方キロメートル、人口90萬9千人、黃浦區の西部にあり、黃浦江の向こうに浦東新區を臨む。
2009年、浦東新區と南匯區の合併により、「大浦東」の建設が加速した。同年、「大虹橋」プロジェクトも始動した。「大虹橋」エリア構想は、虹橋中樞部から半徑10キロメートル以內のビジネス産業區を対象としており、長寧區、閔行區、普陀區などがその範囲に入る。東の「大浦東」と西の「大虹橋」が、上海市政府による経済空間戦略で配置された「二大エンジン」だ。
▽商業パワー全開
両區撤廃?一區統合を実施する主な理由は、「地域機能が重複し、管轄地域面積が狹い」ことにある。関係者によると、合併は強く大きな政府管理體制の構築する上で有効に働き、政府の法制性?サービス性のさらなる向上につながるという。
一方、盧灣區政府の関係者は、「上海市政府の行政區畫プランから見ると、『大浦東』は金融の中心、『大虹橋』は交通の中數、『大黃浦』は企業誘致資金導入や商業貿易面での中心と位置づけられている」と漏らした。
黃浦?盧灣両區には現在、金融証券、現代サービス、商業貿易物流、レジャー旅行、文化クリエイティブ各産業の優勢資源が集まっている。外灘(バンド)、南京東路、淮海中路、新天地、豫園など上海の名所は全て両區內にある。2010年上海萬博の會場となった浦西パークも、同エリアの臨江地帯に建設された。
「人民網日本語版」2011年6月11日