北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道が今月末に運行をスタートする。このことには、基礎的交通路線の開通によって、中國版の「新幹線経済圏」が始動しつつあるという積極的な意義がある。日本の「日本経済新聞」が20日に報じたとして「環球時報」が伝えた。
山東省済南市の市街地中心エリアから西に車で30分ほど行くと、住宅の建築現場が一面に広がり、販売員が熱心に購入を勧める姿がみられる。販売員によると、政府は不動産に対する厳格な規制をうち出したが、ここでは毎日5軒以上の住宅が売れているという。
高速鉄道に後押しされるのは不動産市場だけではない。山東省徳州市は高速鉄道開通に伴い、北京からの所要時間がこれまでの2時間強から1時間弱に短縮されることになった。同市政府の関係者によると、同市はすでに北京市への通勤圏にあり、同市に投資する臺灣のハイテク企業は20社を超えた。観光産業も高速鉄道に非常に大きな期待を寄せる。北京、済南、上海などの沿線7都市の観光局は、このほど京滬高速鉄道観光連盟機関を共同で設立し、より多くの観光客呼び込みを目標に掲げた。
1964年に日本で東海道新幹線が営業を開始すると、これを契機として靜岡県、愛知県、岐阜県などの沿線各県で工業化が飛躍的に進み、高度経済成長を後押しする力となった?,F在、中國の地方都市も同じようなプロセスをたどっている。高速鉄道の発展が都市化を推進する作用が徐々に明らかになるにつれ、一部の研究者からは、北京と天津からなる京津経済圏と上海を中心とする長江デルタ経済圏とは今後、経済の高度成長プロセスの中で徐々に融合し、新たに「高速鉄道経済圏」を形成するようになる、との見方が出るようになった。
「人民網日本語版」2011年6月24日