米國と比較して、中國の石油消費量は増加を続けている。米國の消費量はほぼピークに達したが、中國のピークはまだ計り知れない。これらを背景とし、中國の石油対外依存度の上昇は、中國のエネルギー安全を脅かすものとなる。中國はこれまで発展を続け、そして今後も長期に渡り発展していくだろう。これを受け、エネルギー(石油を含む)の大量消費という特徴が生まれている。
中國の石油が不足しているならば、海外市場から調達すればよいと言う人もいるだろう。それは確かにその通りで、中國も現在そのようにして対応している。1993年以前、中國の石油需要は自給自足を実現できていたが、中國はその後、石油の大量輸入を開始することになる。中國全土の石油輸入量は、2010年に前年比17.4%増の2億3900萬トンに達した。また石油の対外依存度は、前年比2.7ポイント増の53.8%に達した。
1970年代に発生した世界的なオイルショックにより、米國の大量の自動車が運転不可となり、トラックの運転手が失業するという事態が起きた。當時の中國は、経済発展の初期段階にあり、また政治的に閉鎖された環境であったため、オイルショックによる影響は深刻でなかった。しかし現在はかつてと異なり、中國はすでに世界最大のエネルギー消費國となった。近年、中國の自動車工業、一般庶民の自動車消費の爆発的増加に伴い、「工業と経済の血液」と稱される石油の需要が高まっている。