そうした問題から目をそらさずに取り組もうとする姿勢が、中國の貧困層を1億2,800萬人と確定したことに現れている。先月末、農民一人當たりの純収入(可処分所得に相當)2,300元以下(2010年を固定価格の基準年度とする)を低所得者と位置づけ、國家扶貧標準の適応対象とすることが中央政府により定められた。この標準は2009年の1,196元の92%増と大幅にアップしている。
國家扶貧標準を確定することは明確な貧困線をひくという意味をもっている。この標準の大幅アップは必然的に貧困人口を増やすということを意味しており、従來は「非貧困層」に入っていた人らも新たに「貧困層」に組み入れられるケースが大幅に増えることを示している。
農村部における貧困人口は、2000年末の9,422萬人から2010年末には2,688萬人に減っている。物質的な生活水準という面からすると、誇るべき成果を収めたと言えるだろう。そして2010年、新たな標準により、貧困人口は一気に1億2,800萬人に膨れ上がった。とは言っても、過去10年の成果が覆されたのではなく、あくまでも従來の成果の延長として、社會福祉制度を享受できる最低ラインを引き上げたに過ぎない。