中國人民銀行(中央銀行)の李東栄総裁補佐は11日、第11回中國輸出入企業年次総會において、「人民元の國際化を推し進め、人民元越境流通ルートをさらに拡大しつつ、國內外における人民元市場のバランスのとれた成長を促進する」と述べた。
第12次五カ年計畫(2011~2015年)には、「人民元の越境使用を拡大し、人民元の資本項目の自由交換を徐々に実現していく」と明記してある。溫家寶総理もこのほど開かれた全國金融工作會議で、「貿易?投資における人民元の越境使用を拡大していく」と述べた。
李東栄総裁補佐は、以下の2方面から人民元の越境使用を推し進めるとした。1.人民元の國際化を推し進め、人民元越境流通ルートをさらに拡大し、國內外における人民元市場のバランスのとれた成長を促進する。2.商業銀行が高品質な越境人民元建て金融サービスを提供できるよう推進する。監督管理の要求を踏まえ、リスク防止を強化した上で、商業銀行による海外進出企業への一連の越境人民元建て金融サービスを奨勵する
ここ數年で、越境人民元建て業務の管理枠組みがほぼ出來上がり、各種の関連業務は飛躍的な進展を遂げた。現在、國務院の認可を経て、越境人民元建て決済の試験導入が全國に拡大された。業務範囲も貨物貿易、サービス貿易などの通常項目から、一部の資本項目へと広がり、中國企業の対外直接投資や外資による中國投資における人民元使用の利便性が向上した。
李東栄総裁補佐は、「越境人民元業務の展開は、現実的に発生している越境取引の客観的需要を反映したものであり、中國の輸出入企業と金融機関に大きな利益をもたらす」との見方を示した。決済通貨の選択肢が増えれば、輸出入企業は為替リスクを避けられるし、コストを抑えられるため、価格競爭力を高められる。予測では、人民元建て決済のコストは外貨決済よりも平均2,3ポイントコストを抑えられる。そのほか、人民元建て決済が行われれば、輸出稅還付などの手続きも簡単になる。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2012年1月12日