中國大陸部における発展様式の転換は、かけ聲だけではなく、すでに著々と成果をあげており、臺灣企業もこの動きに乗り遅れてはさらなる発展のチャンスを見逃すことになりかねない。數多くの臺灣業者は広い視野からこのことを的確にとらえているようだ。かつて臺灣はアジアNIESとか、四匹の竜とかいわれた時期もあったが、改革開放三十年を経た中國大陸部は、経済の規模ですでに世界で2位にあり、歐州債務危機などの逆風の中でも7%以上の成長率を保ちつづけている。しかも、この7%あるいは7.5%は成長率の下ブレではなく、自らすすんでそのレベルに調整して発展様式の転換に力を入れることになったのだから、これからのさらなる発展の足場づくりと言ってもよいわけである。
最近、宇宙産業、通信産業、造船、深海石油探査などの面でほとんど毎日のように新たな発展が伝えられており、中國の宇宙ステーションの構築、北斗測地衛星のアジア?太平洋地域カバーエリア?システムの完成とグローバルなシステム構築の著手などハイテク分野の進捗にもめざましいものがある。
海峽両岸関係の平和的発展の面で、まず取り組みやすいものから著手することになっているが、人々の生活に密著した経済、文化から先に取り組んでいき、だんだんと比較的に難しいのではないか、とみられている分野に入っていくやり方は非常に合理的である。その意味で、臺灣業者の中國大陸部への進出、臺灣の農産物、果物の買付なども順調にすすんでいる。広大な市場がある中國大陸部のこと、高速道路、鉄道コンテナー輸送、冷凍輸送などにより大陸部のほとんどの地域で臺灣の果物が食べられるようになっている。