英國放送協會(BBC)10月14日付の記事 どの國でもそうだが、割安の汽車の座席で旅行をすることで、その國の底辺の生活を垣間見ることができる。私はこれまで2度、そのような體験をしたことがあり、そこから中國の劇的な変化を目の當たりにした。
湖北省東部に位置する武漢市行きの汽車の切符を買おうとしたとき、3日後までの武漢行きの切符は既に売り切れていた。販売員は、「硬座」の切符で良ければ、まだ殘っていると言った。中國の列車の座席は2段ベット二組で一部屋の比較的快適な「軟臥」から、最も安い「硬座」まで4種類に分かれている。
1986年當時、學生だった私は初めて「硬座」の切符で旅行し、中國の農民層の世界にいきなり飛び込んだような感覚を味わった。當時、生きた鶏やヤギを荷物棚に乗せる乗客が多かった。座っていると身體のあちこちが痛くなるような木製の座席と通路は人に埋め盡くされ、窓からよじ登って車內に入り込み、荷物から子供に至るまで窓から運び込む人が大勢いた。車內にはモヤモヤとタバコの煙が充満し、車両の端を見渡すことができないほどだった。