2000年頃、中國の工場で働く労働者の年収は1000ドルほどであったが、現在は約5000ドルに達している。中國の人口は世界の6分の1を占めるのだから、驚異的なペースだ。これは人類の幸福と富の急成長であると言える。
資本家は利益を求める。資本家は労働者を雇うことで利益が得られると考えるからこそ、こぞって雇用するのだ。「失業予備軍」がいなくなり、その結果として給與が上昇した。これは我々が現在目の當たりにしている狀況だ。
それでは、なぜこのような事態が生じているのだろうか。その原因はグローバル化だ。我々は現在、世界の貧困地區の貧民が作ったモノを購入したがっており、その能力もつけている。我々は安価なモノを購入できるのだから、生活が良くなる。その一方で、これらのモノを作っている人々の暮らしも良くなる。これはアダム?スミスとデヴィッド?リカードが200年以上も前に発表した理論を示すものではないか。労働の分業化?専門化、それに伴う商品貿易により、誰もが豊かになるのだ。
中國経済が米國に近づき、さらに追い越したとしても、中國の生活水準が米國並みになることはない。中國の人口は米國の4倍に達するため、4倍の経済規模を持たなければ、米國並みの生活水準に達しないのだ。しかしこれは、人類の幸福に向けた大きな進歩である。(筆者:Tim Worstall)
「中國網日本語版(チャイナネット)」2013年3月27日