林國本
世界的な大都市へと発展をとげる北京市はここ數年、公共交通システムの建設に力を入れてきた。シールド工法で工事をすすめているので、道行く人はあまり気がつかないこともあるが、道路上にできた鉄鋼の構築物を目にすれば、その下では地下鉄の工事が著々とすすんでいると見てもよい。一説によると、すでに北京市では40%以上の人が公共交通システムを使って出退勤しているらしい。そのうちに50%以上にもっていくとも言われている。
北京では1980年のオリンピックの前後においては、交通渋滯もあまり見られなかったが、その後、マイカーがどんどん増え、交通渋滯がひどくなり始め、「近代化のためにはどうしてもこういうことになるのだ」とあきらめ気味の人もいると同時に、なんとかしなければならない、と真剣に考える人もいるが、メディアは諸外國の例を紹介したり、専門家の発言が掲載されたりしている。世界的な大都市として、外國籍企業のアジア地區総本部が次々と北京に設置されている昨今のこと、この問題はいちはやく解決しなければならない。