ソニーは、執行役や業務執行役など、エレクトロニクス事業に関わる本社とグループ會社の役員計約40人の賞與の全額返上を決めた。業務執行役とグループ會社役員のボーナス全額返上ははじめて。返上後の役員の年収は3割~5割減少することになる。
パナソニックは、7月より津賀一宏CEOの給料を昨年同期で半減することを決めた。6月末に會長に就任する長栄周作副社長に対しても、會長としての給料を半額にする。他の役員は2割減となる。
シャープは人事刷新を実施。海外経験の豊富な高橋興三副社長を社長に起用、就任わずか1年の奧田隆司社長は経営の一線から退く。會長の片山幹雄氏は退任し、技術顧問を擔當する。報道によると、ソニーCEOのハワード?ストリンガー氏やパナソニックCEOの大坪文雄氏も6月に退任する。韓國との競爭拡大で平面型テレビに巨額投資したことが赤字の原因であり、片山幹雄氏同様、これまで過度なテレビ重視路線で経営悪化をもたらした経営責任を取ったかたちだ。
テレビが赤字の元兇となったことから、日本の電器メーカーは、もはやテレビをコア業務にできないと考えている。しかしパナソニックなどコンシューマー向け大手電子メーカーは、今でもテレビに希望を託そうとしており、「スマートTV」を矢継ぎ早に発表している。新製品は、パソコンやスマートフォンとの連攜機能を付加し、平面型テレビのスマートでない部分を補おうとしている。スマートTVは確かに一定の需要はあるだろうが、企業の將來を擔えるほどのものではない。
また、シャープの再建計畫では液晶パネルのことが盛り込まれ、パナソニックでは車載関連裝置に力を入れようとしている。総じてみると、日本の大手家電企業はテレビに換わる有力商品が見つかっていないようだ。企業を再生させる新型商品の開発が、彼らに共通する悩ましい課題といえよう。
「中國網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月22日