著工から20年、中樞の運営成功から10年、4年連続で水位175メートルの貯水成功にあたり、新華社の記者は、國務院三峽弁公室、水利部、長江水利委員會、中國工程院、中國長江三峽集団公司などを訪ねて権威ある専門家に教えを請うとともに、三峽ダム地域とその下流地域に足を運び、多くの資料を集め、「三峽プロジェクト」に潛む様々な注目問題を整理、解読した。新華社が15日付で伝えた。
焦點五:2つの湖が枯渇の危機?
近年、洞庭湖や鄱陽湖など長江中下流の地域で何度か深刻な干ばつがみられ、三峽ダムの貯水と大きな関係があるという見方がある。
中國工程院の報告はこれについて詳しく分析し、「三峽ダムの洞庭湖と鄱陽湖の水資源利用への影響がみられるのは主に増水後の貯水期間で、長江主流の水位低下は荊南三口(松滋口、太平口、藕池口)から洞庭湖に入る水量が減り、この2つの湖から出る水量が増え、渇水期が早まったこと、渇水位が下がったことが灌漑や給水、生態環境用水に影響を及ぼしている」と指摘している。
焦點六:希少生物は今どこに?
三峽プロジェクトによる生物の多様性への影響はずっと社會の注目を集める話題だ。
陸生生態系については、三峽ダムの陸生脊椎動物は自らダムから移動でき、ダム地域以外でも広く分布しているため、絶滅の危機は存在しない。希少な陸生植物については、関連部門が遺伝資源の保存、植物園での保存、野外移転による保存、現地での保護などの対策をとっている。
水生生物については、三峽プロジェクトの影響を受ける地域には、ヨウスコウカワイルカ、シナヘラチョウザメ、カラチョウザメ、チョウコウチョウザメ、スナメリ、エンツュイといった絶滅が危懼されている希少水生生物が6種類生息している。これらの希少な生物を保護するため、河口にカラチョウザメとシナヘラチョウザメの稚魚保護區、葛洲ダム近くにカラチョウザメ保護區、長江上流に希少特有魚種自然保護區などを設立し、カラチョウザメの人工繁殖と稚魚の放流を実施している。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2013年12月18日