米連邦巡回控訴裁判所は7月15日、オバマ米大統領が適切な法的手続きを踏まず、中國の三一集団の関連企業による合併案を禁止し、同社の権利を侵害したとする意外な判決を下した。判決文は、同社はオバマ政権が決定を下す根拠になった非機密情報を知る権利があり、反論の機會も與えるとした。三一重工の向文波総裁は16日、環球時報の記者に対して、「當社の外國投資委員會(CFIUS)とオバマ大統領を相手取った訴訟は、中國企業の米國での権利保護の先例となった」と語った。米メディアは、「ホワイトハウスを相手取った訴訟で、中國企業が過去に例のない勝利を収めた。これは米國政府の國家安全を理由とする、外資による買収案の非公開審査を揺るがす判例になり得る」と報じた。
向氏は北京時間16日早朝、中國版ツイッター?微博(ウェイボー)を使用し、勝訴を発表した。向氏は同日、環球時報の取材に応じた際に、「CFIUSは、米國での投資を検討する多くの中國企業にとって、呪いのようなものだ。米國の、國內における買収案の審査はランダムで行われており、いい加減だ。これまで一部の中國企業は泣き寢入りしていたが、これは國際事業におけるやり方としては適切ではない。企業は法的手段により、自身の権益を守る必要がある。本件は、CFIUSが裁判所の審査を受け、好き勝手に決定できなくなることを意味し、これまでのルールを完全に覆した。今回の勝訴によって、當社の訴えが認められた。本件は経済的にそれほど大きな意義を持たないが、中國企業の海外進出にとって大きな意義を持つ。當社は弁護士と今後の行動について相談する」と表明した。
國際訴訟に詳しい弁護士のカク俊波氏(カクは赤にオオザト)は16日、環球時報に対して、「中國企業がここまでやれたことは、今までなかった。同社の重要な段階的な勝利は、中國企業に発言権を與える。この判決には、象徴的な意義がある。同裁判所の判決が一つの判例になり、その他の案件でも引用される可能性がある。そうなれば米國政府とCFIUSが圧力を受け、外資による米國企業買収を慎重に審査するようになる。再び勝手に外國企業の買収をストップさせた場合、訴訟を起こされるリスクがある」と指摘した。
CFIUSの、中國企業の米國企業買収を対象とする國家安全審査が、近年激増している。CFIUSが中國企業を公平に扱うかは、中國の重要な関心事になっている。米シンクタンク、ピーターソン國際経済研究所の研究員は、先ほど環球時報に対して、「CFIUSの手続きは非常に閉鎖的だが、より透明になるべきであり、それも可能だ。例えばCFIUSは、審査の記録を公表したことがない。弁護士であれば、米國政府にどのような安全面の関心事があるのかを知りたいはずだ。米國政府は法的枠組みを改正しなくても、審査をより透明にできる。また米國政府はこの枠組みを濫用するのではなく、真の國家安全に関わる事項のみの審査に留めるべきだ」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2014年7月17日