中國海関総署(稅関)が発表した最新の貿易統計によると、2015年1-11月の輸出入総額(人民元建て)は前年同期比7.8%減で、輸出?輸入ともに減少傾向が続いた。輸出額は2.2%、輸入額は14.4%の減少となった。
専門家は対外貿易の落ち込みについて、世界的な需要不足と中國経済の構造調整という、國內外の要因が背景にあると指摘する。これとともに、貿易會社の成長モデル転換と高度化の加速、産業構造の再構築、業界全體の品質向上と効率アップ、貿易での新たな競爭優位性の早期育成が迫られている。
対外貿易の低迷は世界的な景気低迷と直接的な関係がある。國家発展改革委員會學術委員會の張燕生秘書長は過去の統計を基に、グローバル化が進む時期は、貿易成長率はGDP成長率を上回るペースで推移、対外貿易は経済の成長エンジンになると分析する。その一方で、グローバリゼーションが後退すれば、貿易統計も悪化するとしている。
「外部環境の悪化以外に、中國経済が構造的なモデル転換の段階にあることも大きく関係しており、2つの大きな要因が考えられる」と対外経貿大學中國世貿組織研究院の屠新泉執行院長は分析する。第1の要因は、「コスト上昇により中國の加工貿易の優位性が急速に低下したこと」だと指摘。第2は、「マクロ経済全體の産業構造が製造業からサービス業中心にモデル転換したことが、貨物貿易の下押し要因になった」と指摘する。これらの構造転換は、長い目で見れば中國経済の発展にプラスに働くものの、貿易にとっては一時的に痛みを伴う陣痛期となる。