國家統計局が19日に発表した2015年のGDP成長率が6.9%だったことについて、「中國経済に問題が起こっている」と騒ぎ立てる人がいる。だが実際に中國経済に起こっているのは、深いレベルの具體的な構造調整にすぎない。(文:易憲容?中國社會科學院金融研究所研究員)
國家にとって経済成長速度は重要ではある。だが重要なのは、それが何を拠り所にして実現されるかである。もしもGDPの中身が、近代産業やハイテク製品、競爭力のある商品によって構成されるのでなければ、成長率がより高く、総量がより大きいとしても、得られる効果はマイナスのものとなるだろう。
2015年の中國のGDP成長率の鈍化に影響した要素としては主に次の二つが挙げられる。第一に、國內の固定資産投資が下がったことである。とりわけ不動産の固定資産投資の成長率は例年の20-30%から1%にまで下がった。固定資産投資の25%以上を占める不動産市場投資が下がったことは自然と、GDP全體の成長速度に影響を與えることとなった。また投資の減少速度が大きいことで、影響も大きくなった。だがこれは同時に、中國の「不動産化」された経済の調整が進んでいるということでもある。
第二に、2015年GDP成長速度の下落は、同年の輸出の成長が芳しくなかったこととも関係している。公表されたデータによると、2015年の中國の輸出はマイナス成長となった。経済成長を引っ張る三本柱の一つとされる輸出の成長率下落は、経済成長速度に影響する。だがこれもまた、中國の経済成長構造と成長の動力の調整が進んでいることを示している。2001年の世界貿易機関(WTO)加盟以來、中國の輸出はかつてなかった急成長を遂げ、経済成長の最も重要な動力となった。だが中國の輸出品は多くがローエンドの産品や原材料であり、このような輸出成長は、環境保護や労働力、資源などの各方面の関係のバランスを取ることのできるものではなく、持続不可能なものだった。そのため中國の経済構造が調整され、輸出が下がるのは必然の流れだった。