文=清華大學(xué)?野村総研中國(guó)研究センター理事、副センター長(zhǎng) 松野豊
世界から注目されるG20杭州サミットは今日開(kāi)幕する。現(xiàn)在の中國(guó)は世界経済を牽引する最重要國(guó)であり、本年は中國(guó)でG20が開(kāi)催されるということもあって、世界は中國(guó)のリーダーシップによる最適な國(guó)際経済協(xié)力の枠組みが構(gòu)築されることを強(qiáng)く期待している。
現(xiàn)在の世界経済の問(wèn)題は、大きく2つある。第一は、世界全體の経済成長(zhǎng)率が低下し成長(zhǎng)を牽引する國(guó)や経済地域が見(jiàn)當(dāng)たらないこと。第二は、世界の投資マネー(オイルマネー、チャイナマネー等)の有望な投資先が見(jiàn)つからず、各國(guó)の株式市場(chǎng)等が投機(jī)マネーで不安定化していることである。
議長(zhǎng)國(guó)中國(guó)の役割は、世界経済の中に「成長(zhǎng)センター」を生み出すための仕組みづくりを主導(dǎo)することである。 現(xiàn)在、世界各國(guó)では経済成長(zhǎng)率の低下などの事態(tài)に直面して、保護(hù)主義的な政策が多く見(jiàn)られる。そのため全體的な投資マネーの循環(huán)が停滯し、一部は投機(jī)マネーとなって株式市場(chǎng)や為替市場(chǎng)の亂高下を生み出している。
中國(guó)は経済大國(guó)として、各國(guó)の金融政策の歪みを是正していくことを主導(dǎo)していくべきである。そのためには中國(guó)が自國(guó)の金融システム改革の新たなロードマップを提示し、世界経済の指南役になっていくべきである。
中國(guó)経済は今、転換の岐路に立っている。中國(guó)政府の最も効果的な任務(wù)は、市場(chǎng)経済化のレベルを高める環(huán)境整備やインフラ整備であろう。市場(chǎng)原理によって企業(yè)が淘汰されたり、健全な競(jìng)爭(zhēng)により國(guó)內(nèi)に優(yōu)れた商品やサービスが出現(xiàn)するようにすれば、中國(guó)経済は確実に転換してはずである。日本が1970年代に産業(yè)転換に成功したのは、石油ショックや円高など外部の市場(chǎng)環(huán)境圧力があったからである。また當(dāng)時(shí)の日本政府が実施した産業(yè)政策のうち最も有効であったのは、政府の補(bǔ)助金や政府主導(dǎo)の合併推進(jìn)政策などではなく、公平な市場(chǎng)を?qū)g現(xiàn)するための関連法規(guī)の整備、環(huán)境規(guī)制の強(qiáng)化、企業(yè)への投資減稅、金融システム改革などの産業(yè)全體に関わる環(huán)境の整備だったのである。現(xiàn)在の中國(guó)政府の政策の中では、「インターネット+」政策が最も秀逸であると思う。この政策において中國(guó)政府は、高度なネットワークインフラの整備と関連法律の整備に徹している。そのため実際のITサービス事業(yè)の分野では、多くのイノベーション企業(yè)が出現(xiàn)し、またネット購(gòu)買(mǎi)などで國(guó)民消費(fèi)も飛躍的に伸びている。 中國(guó)の製造業(yè)のイノベーションを促進(jìn)するためには、政府主導(dǎo)による國(guó)內(nèi)への設(shè)備投資よりは、中國(guó)企業(yè)の対外投資や海外進(jìn)出支援に力を入れるべきだろう。中國(guó)では、今年に入って企業(yè)の対外投資が増大し大型化してきている。中國(guó)政府は、企業(yè)のグローバル化を支援するために、例えば企業(yè)の資金調(diào)達(dá)手段の多様化や貿(mào)易関連保険の整備、國(guó)際物流などの産業(yè)インフラ整備に力を入れていくべきである。中國(guó)企業(yè)が世界の市場(chǎng)で多くの経験を積み、市場(chǎng)ニーズを自らが把握できるようになれば、國(guó)內(nèi)の産業(yè)構(gòu)造は自然に転換していくだろう。
上述したように、中國(guó)が自身の経済成長(zhǎng)の転換(モデルチェンジ)を?qū)g現(xiàn)していくためには、中國(guó)企業(yè)のグローバル化を加速させ、世界経済の市場(chǎng)メカニズムの中で改革を進(jìn)めていくことが近道になると思う。また日本企業(yè)も現(xiàn)在、國(guó)內(nèi)市場(chǎng)の縮小傾向という環(huán)境條件下で、対外投資や事業(yè)のグローバル展開(kāi)には積極的に取り組んでいる。 日中の企業(yè)は、構(gòu)造改革途上の自國(guó)市場(chǎng)だけでビジネスを拡大させていくことは容易ではなく、そのため両者が手を組んで第三國(guó)市場(chǎng)を開(kāi)拓していくことが極めて重要な戦略になりうる。日本企業(yè)には長(zhǎng)年の海外事業(yè)に伴う「信用」という財(cái)産があり、中國(guó)企業(yè)には豊富な「投資資金」がある。 現(xiàn)在最も重要なことは、日中の企業(yè)同士の対話をもっと深めることであろう。両國(guó)政府には、外交上等の複雑な問(wèn)題があってなかなか胸襟を開(kāi)けない事情が存在する。しかし共に世界市場(chǎng)に直面している企業(yè)同士であれば価値感を共有でき、日中企業(yè)間の対話と交渉を進(jìn)めれば、ビジネスチャンスはより大きく広がることは間違いない。例えば、日中企業(yè)による「ビジネスサミット」のような會(huì)議體を開(kāi)いてみる価値はあるだろう。