文=徐洪才
2008年の金融危機(jī)以來、有効需要の不足は世界経済運(yùn)営における大きな難問になってきた。うわべでは中國の経済運(yùn)営にもこの問題が存在しているように見えるが、実際には、供給側(cè)(サプライサイド)の質(zhì)が低く、供給側(cè)構(gòu)造が需要構(gòu)造に適応できないために、需要が抑圧され、海外に流出している狀態(tài)だ。
2016年の鉄鋼、石炭の過剰生産能力削減が前半は盛んに行われたが後半は力が入れられなかったのは、2016年第3四半期以降、鉄鋼、石炭などの価格が上昇したからである。価格が急騰する中で、企業(yè)は過剰生産能力削減の意欲が低下し、一部の一時(shí)停止していた設(shè)備も再稼働するようになっている。河北省、江蘇省、山東省などの主要製鉄省は粗鋼生産量が急増し、陝西省、新疆ウイグル自治區(qū)、內(nèi)蒙古自治區(qū)、山西省などの石炭主要生産省?自治區(qū)でも石炭生産量が急増している。企業(yè)が利益向上に走る狀況では、行政関與による過剰生産能力削減が効果を上げることは難しい。「過剰生産能力削減」を「生産量削減」と単純にみなしている人もいるが、実際には「生産能力過剰」と「操業(yè)短縮」の狀況の下では、行政関與による減産は現(xiàn)実的に無意味である。減産によって価格が上昇すると、立ち遅れた生産能力が復(fù)活する事態(tài)が生じるのだ。
供給側(cè)構(gòu)造改革において、行政関與や政府主導(dǎo)は往々にして意識的または無意識に強(qiáng)化されているため、効果がすぐ出て、使いやすい。だが、市場メカニズムの制約が不足しているため、一時(shí)的に功を奏してもしばらくすると強(qiáng)い反動が來る。政府の役割はエネルギー?資源消費(fèi)、汚染物質(zhì)排出、安全基準(zhǔn)の制定にあるはずだ。基準(zhǔn)は誰にでも平等である。基準(zhǔn)を達(dá)成しない企業(yè)は市場から撤退することになる。供給側(cè)構(gòu)造改革では必ず市場メカニズムを育成し、市場に資源配置において決定的な役割を発揮させるようにしなければならない。
われわれは、従來のようなミクロな経済行為への行政関與を供給側(cè)構(gòu)造改革とみなす傾向を防ぐべきだ。これは一方に偏った見方である。現(xiàn)在のような市場メカニズムがまだ不完備な狀況の下では、政府は市場メカニズムを積極的に導(dǎo)き、育成して、供給側(cè)構(gòu)造の不合理さと供給の質(zhì)の低さという問題を解決するべきである。最終的なスタンスはあくまで市場に資源配置において決定的な役割を発揮させることなのである。(徐洪才:中國國際経済交流センター副総経済師)
「北京週報(bào)日本語版」2017年3月7日