◆鉄鋼企業は二重の収益が獲得可能に
高付加価値の材料への変換のほかにも、鉱滓の再利用には省エネ排出削減効果がある。コロンビア大學の技術では、溶融スラグの冷卻時に発生する余熱を利用して、鉱滓処理時に消費されるエネルギーとコストを相殺することができる。また、鉱滓の利用過程で工場から排出される二酸化炭素を捕獲する必要があるため、省エネ排出削減にもプラスとなる。
「外部から見れば、二酸化炭素など溫室効果ガスの削減は、國際社會に対して中國が約束した事だ。鉄鋼國有大手企業として包頭鋼鉄は省エネ排出削減の方面で責任逃れは許されない。企業の観點から言えば、包頭鋼鉄は中國西部の北側に位置し、周辺地域の経済は発達していると言い難い。市場の需要も限られ、長期に渡り鉱滓の再利用への道は決して平坦なものではなかった。包頭鋼鉄は廃棄物を如何にして寶に変えるかが喫緊の課題となっている」と、包頭鋼鉄集団有限公司の魏栓師?會長がインタビューで語った。
魏會長は、「中國の鉄鋼企業は生産能力過剰問題に直面しているうえ、環境保護の社會的責任を負っている」と指摘。供給側の構造改革推進を背景に、伝統的な鉄鋼企業が如何にしてモデル転換と高度化を進めるか、如何にして「サプライヤー」から「サービスプロバイダー」に転身するか、製品の生産?使用の全過程に関わるサービスを如何に提供するかが非常に重要となる。魏會長は、「中米グリーン?パートナー?プログラム」の協力プロジェクトの一環として、コロンビア大學と包頭鋼鉄の協力は、企業の経済的利益と社會的利益の統合につながるとみている。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2017年5月26日