中國で急成長する新型製造業は、中國と新興市場をけん引する新たな原動力となりつつある。経済構造のモデル転換は、中期的に中國の輸出と経済成長を支えるだけでなく、新興國との連係強化にもつながる。消費が経済構造でさらに重要な地位を占めるのに伴い、中國経済のモデル転換の成長見通しとポジティブな波及効果も投資家の信頼を獲得した。
中國の経済構造改革は海外投資家から注目され、改革の成果と世界経済への貢獻が高く評価されている。
製造業の高度化促進は中國の経済構造改革の焦點の1つだ。HSBCのリポートによると、中國で急成長する新型製造業は、中國と新興市場をけん引する新たな原動力となりつつある。HSBCは、「2017年の中國経済は各方面の予想を上回る勢いで成長を遂げる見込みで、その一部は輸出の予想以上の成長によるものだ。中國の輸出は2016年に落ち込んだものの、17年上半期は前年同期比で8.5%増加した。その要因は海外需要の増加にとどまらず、中國の輸出構造の変化が大きな要因だ」との見方を示した。
近年、中國の製造業は構造のモデル転換によりバリューチェーンに沿って高度化している。中國が世界の紡織品市場で占める割合は2007年をピークにやや低下し、ミドルエンド技術製品の輸出は世界金融危機後も伸び悩んでいる。その一方で、ハイテク製造業製品は2007年以降、急速に伸びている。中國が世界の電子製品市場で占める割合は、2000年は7.6%だったが2016年は34%まで上昇した。さらに注目すべきは、工事設備、家電、機関車などの市場シェアの急拡大だ。中國が依然としてローエンド製品の輸出を主力としていたなら、現在のような市場回復のなかで成長の原動力を獲得することは非常に困難だと言える。