曹鐘雄 中國（深セン）総合開発研究院新経済研究所執(zhí)行所長

　新型コロナウイルス関連肺炎が全國に瞬く間に広まり、中國経済に多大な困惑をもたらした。世界保健機関（WHO）は先日、新型コロナウイルス関連肺炎は「國際的に懸念される公衆(zhòng)衛(wèi)生上の緊急事態(tài)」だと宣言した。しかし、今回の感染癥は2003年と大きく異なり、中國経済が當時と比べて本質(zhì)的に変化した點が特に異なる。

　感染癥の流行ピーク期が異なる。SARSのピークは2003年3～4月で、同年の経済と生産の大ダメージを與え、受動的だった。今回は春節(jié)連休に発生し、経済政策と企業(yè)生産を調(diào)整する時間的な余裕があり、能動的である。

　國際環(huán)境が異なる。今回の感染癥は米國の反グローバリゼーション、世界的な保守主義が流行する時期に発生したが、2003年のSARSは貿(mào)易グローバル化のピーク期に発生した。

　経済成長の段階が異なる。2019年の中國のGDPは100兆元に迫り、1人あたり平均GDPは1萬ドルを超え、世界の中等所得中間レベルに突入した。

　産業(yè)インフラが異なる。2019年の中國の第1～3次産業(yè)の構(gòu)造は7.1：39：53.9で、サービス化レベルが大幅に向上し、世界で産業(yè)體系が最も完備された國になった。

　新型コロナウイルスの流行は短期的に経済にある程度の影響を及ぼすことが予想される。その影響は主に以下の3つの分野に表れる。

　1つ目は、消費への大ダメージ。春節(jié)連休は中國の消費の最盛期で、消費分野が最大のダメージを受けることは間違いない。ショッピングセンター、伝統(tǒng)的なデパート、卸売市場、ホテルなどの小売業(yè)が影響を受ける。

　2つ目は、インフラ建設、不動産開発、労働者が密集する業(yè)界に大きな影響が及ぶ。労働密集型産業(yè)の中で、アパレル、電子情報分野のPCB回路基板、攜帯電話組立などの人材ニーズの高い企業(yè)は大きな影響を受ける。

　3つ目は、起業(yè)型の中小企業(yè)は多くの困難を克服しなければいけない。中小企業(yè)は経済リスクへの抵抗力が比較的弱い。感染癥の流行による不確定性は経営難に拍車をかける。中でも起業(yè)型の企業(yè)は融資難という環(huán)境下で、賃貸料や給與なども負擔し、多くの企業(yè)が不利益の狀態(tài)にあり、非常時に企業(yè)の生存圧力も高まった。

　中國內(nèi)外の過去の経験から、大規(guī)模な感染癥の流行が経済に及ぼすダメージは短期的だとわかる。WHOは中國の感染癥流行抑制能力に大きな自信を示している。我々にはSARSの経験があり、良好な體制面の保障もある。短期的に見ると、政府は経済政策を早急に調(diào)整し、流行を抑制しながら、新しい経済調(diào)整策を制定し、稅減免政策の拡大、社會保険の納付猶予や比率引き下げ、重點産業(yè)への災害補助などを通して企業(yè)の困難を緩和すべきである。企業(yè)も生産計畫を見直し、生産再開、キャッチアップ進度を調(diào)整する必要がある。

　感染癥流行は短期的なものだが、今後の中國の産業(yè)に大きく影響し、イノベーションへの重視、ニューエコノミーへの期待、および健康への関心は今後の中國経済の新たな原動力になる。中國の産業(yè)の長期的な新傾向として、生命健康の新方式、インターネット関連のニューエコノミー、スマート製造の新モデルが現(xiàn)れる。

　醫(yī)療、健康産業(yè)に新たな発展余地が生まれる。健康産業(yè)は消費グレードアップの重點分野であり、感染癥が流行し、健康への関心はマスクの需要からその他の健康分野に拡張し、衛(wèi)生防護、醫(yī)療健康、レジャースポーツなどの発展余地はさらに広がる。

　ECをはじめとするニューエコノミーはさらに発展し、5G業(yè)務に伴い、インターネット関連産業(yè)は二度目の春を迎えるとみられる。5G建設の進展に伴い、インターネット関連産業(yè)は発展の黃金期を再び迎える。インターネットが再構(gòu)築するのは単純な規(guī)模の経済だけでなく、非インターネット分野の再構(gòu)築にもつながり、ハードウェアが高度に融合し、サービスに溶け込むことが予想される。

　スマート製造は國が提唱する方向というだけでなく、中國の世界の工場という役割も強化する。一線?二線都市では労働者不足が解消され、企業(yè)は人の代わりにロボットを増やし、無人工場や無人作業(yè)場が次々と現(xiàn)れる。

「中國網(wǎng)日本語版（チャイナネット）」　2020年2月4日