中國人民銀行(中央銀行)は10日のリポートで、新型コロナ感染癥防止と企業の操業再開に向けた動きの段階的な特長を踏まえ、一連の金融政策措置を打ち出した。金融政策の伝達効率が大幅に向上したおかげで、それぞれの金融政策措置が実體経済に円滑に伝達され、感染癥防止と企業の再稼動を効果的に支えている。
人民銀が発表した「2020年第1四半期中國金融政策執行報告」によると、人民銀は近年、さまざまな措置を講じて銀行の信用創造が直面する流動性?資本?金利の「3つの制約」を緩和し、金融政策伝達メカニズムの円滑化に注力したことで、伝達効率は顕著に高まった。
統計によると、◇2018年から2020年4月にかけて実施された10回に渡る預金準備率引き下げにより8兆4千億元の長期流動性が供給されたほか、今年の春節連休明け2営業日には予想を上回る1兆7千億元の短期流動性が供給された。◇2019年から2020年4月にかけて、銀行は7186億元の永久債を発行した。◇2019年8月からは、最優遇貸出金利(ローンプライムレート、LPR)改革を順調に進めたことで、2020年3月の企業向け貸出金利は4.82%と、2019年末より0.3ポイント低下した。
リポートは、「政策効果を評価するカギは、実體経済の資金調達支持量全體の増加と資金調達コストの低下につながるかどうかだ」と指摘。貸出促進や貸出金利引き下げ、どちらの観點から見ても、中國の金融政策の実體経済への伝達は一段と円滑になっており、銀行の主導的役割は充分に発揮され、市場メカニズムも良好に機能しているという。
統計によると、人民銀は第1四半期に預金準備率引下げや再貸出などを通じて約2兆元の長期流動性を供給、新規貸出額は7兆1千億元に上り、人民銀の流動性供給1元につき、3.5元の貸出増加を支えた。同時に、企業向け貸出金利の下げ幅は當期の中期貸出ファシリティー(MLF)1年物金利とLPRの下げ幅を大きく上回り、政策金利引下げの効果は拡大されて実體経済に伝わった。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2020年5月11日