「感染癥に見舞われた資本市場」をめぐり、上海新金融研究院理事長の屠光紹氏、米ナスダック証券取引所アジア太平洋地域責任者のボブ?マッコイ氏、北京大學國家発展研究院教授の劉國恩氏、清華大學五道口金融學院副院長の張暁燕氏が基調演説を行った。
感染癥に見舞われた資本市場は穏健に運行、改革は著実に推進
上海新金融研究院理事長の屠光紹氏
屠氏は次の3點から、感染癥に見舞われた資本市場への観察を紹介した。(1)資本市場の動向は感染癥の経済への影響を速やかに反映した。この過程において、業界の動向には明らかな二極化が生じた。(2)資本市場の取引及び投融資機能が正常運転を維持した。資本市場は感染対策、経済回復促進、安定維持の面で重要な力を発揮した。(3)感染期間中、資本市場は開放的な姿勢を維持した。改革の範囲が徐々に拡大し、ペースも上がっている。例えば注目度の高い登録制についてだが、現在は創業版への登録制の導入が決まっている。また「証券法」の改定、関連制度の構築など、改革のペースが目に見えて上がっている。感染癥の影響による中斷はない。
科學技術の進歩、感染癥の多くの対策が生まれる
米ナスダック証券取引所アジア太平洋地域責任者のボブ?マッコイ氏
マッコイ氏は「ナスダックでは最も優秀な醫療企業600社が上場している。感染期間中、これらの企業はワクチンの研究開発及び患者の救助で大きな力を発揮した。ナスダックは金融市場としてこれらの企業に資金調達の場を提供し、その事業発展を促進し、間接的に感染癥との戦いに貢獻した。ナスダックには他にも多くのハイテク上場企業がある。彼らの商品は感染期間中に各自の力を発揮している。科學技術の発展により、我々はより能動的に挑戦と向き合う多くの選択肢を手にしている」と述べた。
資本市場の靭性、感染癥で今後より厳しい試練を迎える
北京大學國家発展研究院教授の劉國恩氏
劉氏は「現在の資本市場の靭性は市場の開放の程度によるものだ。感染癥の未來への影響については、その経済ファンダメンタルズへの持続的な影響についても考慮しなければならない。市場の動向と発展は主に、今後半年あるいはそれ以上存在する感染癥に対して、世界がより効果的な対策を講じられるかによって決まる」と述べ、次のように続けた。
世界のマクロ経済にとって、未來の経済発展の原動力は主に我々の総需要計畫から得られる。新型コロナウイルスを前にし、全世界のシステマティックな総需要は一致する。我々が直面している景気後退はV字型ではなくU字型の可能性がある。特に第2?3弾のリスクが存在するならば、十分に準備する必要がある。
より理性的な投資マインドの維持が必要に
清華大學五道口金融學院副院長の張暁燕氏
張氏は「不確実性の高い市場において、投資家は最終的な目標と投資の目的を理性的に考えるべきだ。投資先の選択は自身のリスク選好に合わせ、それから資産配分を行う。個人投資家は特に理性的な投資が必要で、慎重になるべきだ。プロの機関投資家も最新の學術成果を利用し収益を拡大し、時期と銘柄を巧みに選ぶことで収益を拡大し、リスクを下げるべきだ」と指摘した。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2020年5月19日