新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済が深刻な影響を受ける一方、封じ込めに成果を上げた中國では景気回復が続いている。中國市場では多くの外資系企業が新製品の開発や研究開発投資、増産體制を強化するなど事業活動を活発化させており、多國籍企業による本部設立の動きも強まっている。こうしたことから、外資が長期的に中國市場を有望視している様子がうかがえる。
世界最大の化粧品會社ロレアルの中國法人、歐萊雅(中國)の2020年第2四半期(4~6月)の売上高は30%増と、他の海外市場を上回った。米製薬大手ジョンソン?エンド?ジョンソン(J&J)も中國事業が急回復し、傘下の強生(中國)醫療器材は2桁成長を遂げた。
コロナ禍による影響を受けながらも、今年に入ってからロレアル?グループの中國事業は好調なようで、北京や上海、杭州などで傘下のブランドショップを相次ぎオープンしている。「メイベリンニューヨーク」の世界初となるコンセプトストアや、「イヴ?サンローラン?ボーテ」の中國初となる香水をテーマにしたフラッグシップストア、「ロレアルプロフェッショナル」の世界初となるフラッグシップサロン、「ランコム」の中國?アジア太平洋地域初となるフラッグシップストアなどが挙げられる。
こうした一連の新たな事業展開がロレアルの中國市場での業績押し上げにつながった。歐萊雅(中國)は今年上半期(1~6月)に前年比17.5%増、第2四半期に30%増もの高い成長率を達成し、他の海外市場を上回るパフォーマンスを上げた。同社のファブリス?メガバーン総裁兼CEO(最高経営責任者)は「コロナ禍にもかかわらず、われわれの事業は盤石だ」と語った。
ジョンソン?エンド?ジョンソン(J&J)グループも新たな事業展開を進めていることから、中國市場の急速な回復がうかがえる。