中國の宇宙飛行士が入った宇宙ステーションコアモジュール「天和」の中には、彼らの「宇宙の家」には生活や仕事の快適性と利便性を保証してくれるどのようなハイテク機器があるのだろうか。光明日報が伝えた。
■宇宙のマッサージ機 地上の醫師が強さを適時調整
中國航天科工集団有限公司(以下「航天科工」)所屬の航天三江紅峰公司が製造した神経筋肉刺激裝置が、宇宙貨物船「天舟2號」に搭載され「天和」に屆けた。宇宙飛行士は今後の任務において、いつでも「宇宙の宅配便」から使う物を取り出すことができる。
神経筋肉刺激裝置は「宇宙のマッサージ機」に相當する。同製品は主に宇宙飛行士に電気ショックを與え、筋肉の疲労回復と筋トレを補助し、長期的な飛行試験による筋委縮を防止する。トレーニングをする際に、宇宙飛行士はこの裝置を取り出し、刺激電極パッドを指定の刺激箇所に貼り付け、電気コードでつなげてから電源を入れると自分でモードを選択し、「宇宙マッサージ」を開始できる。
同チームは製品の最適化?アップグレードを続けている。今回はさらに神経筋肉刺激裝置に処方オンラインアップグレード機能を追加し、宇宙飛行士はマッサージの刺激効果を速やかに地上にフィードバックする。地上の醫療従事者は診斷し調整を行った後、最適化された処方を通信路によって製品に伝え、宇宙飛行士の使用に供する。
■宇宙の冷蔵庫 斷熱?真空で耐穿刺
航天科工第三研究院第306研究所が製造した、「宇宙の冷蔵庫」の材料となる真空斷熱ボードが、今回の打ち上げ任務で再び使用され、中國の宇宙ステーション建設に貢獻した。
天舟2號が運ぶ物資のうち、一部の重要な醫療検査?測定及び保障物資は冷蔵庫のような「低溫ロッカー」に保管する必要がある。だが機能的にはいずれも斷熱?保溫でも、この「宇宙の冷蔵庫」は斷熱?保溫材料により厳しい要求を突きつける。優れた保溫効果の上に、十分な軽量化を求められ、基礎的な機能を満たす前提で空間利用の効率を最大限に高めなければならない。
そこで第306研究所の技術チームが最初に思い浮かべたのは、世界で熱伝導率が最も低く密度も最小の固體材料であるエアロゲルだ。彼らはエアロゲル材料の斷熱メカニズムを出発點とし、特殊工法により既存のエアロゲル材料を「真空化」させ、真空斷熱ボードを作成した。検証によると、この板材の熱伝導率は従來のエアロゲル材料の半分に低下しており、熱伝導率の指標の要求を満たした上、さらに優れた真空性と耐穿刺性を持つ。
■スーパー浄水器 尿から水を抽出
宇宙飛行士の入居に伴い、航天科工第二研究院第206研究所が製造した宇宙の「スーパー浄水器」である環境制御生命維持尿処理サブシステム及び電解水浄化裝置が間もなく稼働開始する。
尿処理サブシステムは蒸気圧縮蒸留技術を使い、予備処理後の尿の回転蒸留を行い、集めた水蒸気を凝結させ蒸留水にする。それから蒸留水を水処理サブシステムに移しさらなる浄化処理を施すことで、尿の水分を抽出し利用する。宇宙ステーションの水資源の循環利用を実現すると同時に、宇宙貨物船の荷重の負擔を軽減し、宇宙ステーションのランニングコストを大幅に削減する。
第206研究所宇宙電気機械技術研究室の崔広志室長によると、水処理サブシステムで浄化後の再生水は國の関係基準を満たしており、宇宙ステーションで中長期滯在する宇宙飛行士の清潔や酸素製造などの用途を満たす。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年6月21日