エルニーニョ現象に伴う異常気象により、世界の主要米生産國の生産に影響が出ている。世界の米価格が続騰し、11年ぶりの高値となっている。中國のもみ米価格も同時に上昇している。
南方は中國の米主要生産地域で、稲の播種面積が全國の約94%を占めている。南方の豊作は國の食糧安全と直接関わる。南方各地では今年6月中?下旬より豪雨が続いており、早稲の生産量と品質に影響が及ぶ可能性がある。また高溫?高濕度の天気は病蟲害が非常に発生しやすい。各地は現在、早稲の緊急収穫、中稲の病蟲害の予防、晩稲の田植えに全力で取り組んでいる。米の豊作と、通年の食糧豊作に向け基礎を固めている。
エルニーニョ現象による豪雨?高溫は中國の米生産に悪影響を及ぼし、もみ米価格を変動させているが、もみ米の安定供給に影響は及んでいない。中國はもみ米供給能力が高く、米の生産量は長期的に需要を上回っている。在庫が十分で、コントロール可能で、市場の需要を効果的に満たせる。米価格は安定推移を維持しており、國內食糧市場の「安定裝置」になっている。
米の輸出入は國內のもみ米の需給調整の重要手段だ。中國は世界の米生産大國であり、世界最大の米輸入國でもある。中國の今年1?5月の米輸入量は前年同期比43.9%減の164萬トン。これはエルニーニョ現象の影響により、インドやベトナムなどの米生産國の生産に影響が出て、市場マインドが悲観的になり、米輸出価格が続騰しているためだ。中國の米輸入は価格面のメリットが顕著でなく、輸入量の減少は想定內だ。中國のもみ米の生産量は長期的に需要を上回り、在庫も十分であることから、米の輸入量の減少の國內米市場への影響は限定的だ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2023年7月13日