ロイター通信の4日の報道によると、國連食糧農業機関(FAO)は4日、主要輸出國の國內で旺盛な需要により米価格が上昇し、インドが輸出規制措置を講じていることから、FAOの米価格指標が7月に前月比2.8%上昇し、この12年間で最高の水準に達したと発表した。
FAOによると、主要輸出國の米価格を追跡するFAO米価格指標の7月の平均値は129.7にのぼり、前月の126.2を上回った。
FAOによると、同指標の7月の平均値は昨年通年の108.4を約20%上回っており、2011年9月以來の高値となった。
FAOの食料価格指標も7月に上昇し、2年間の低い數値から反転上昇した。
世界の米輸出量の4割を占めるインドは7月下旬、輸出量が最大の米の輸出を禁止し、國內の米価格の高騰を抑えようとした。異常気象による生産量への影響が危ぶまれ、インド國內の米価格が最近の數週間で高騰している。
インド、タイ、ベトナム、カンボジア、パキスタンは米の主要輸出國だ。中國、フィリピン、ベナン、セネガル、ナイジェリア、マレーシアはこの主要食糧品種の重要な輸入國だ。
4日付「日本経済新聞」は、「米や小麥など食糧の供給懸念が強まっている。米の最大輸出國であるインドが自國內の供給優先のため、一部の高級品種を除く白米の輸出を禁止した。國際指標のタイ産の輸出価格はインドの禁輸後に急騰し、約11年ぶりの高値をつけた。小麥価格も7月下旬に一時、5カ月ぶりの高値となった。世界的な食料インフレが再燃するリスクが高まっている」と伝えた。
タイの破砕率5%の白米のオフショア価格は7月27日までに、1トンあたり607.5ドルに高騰した。7月20日にインドが米禁輸を発表してから62.5ドル高騰(11.5%上昇)し、2012年5月以來の高値をつけた。
米価格急騰のきっかけは、世界最大の米輸出國であるインドの意思決定だ。インド消費者行政?食品?公共分配部は7月20日、輸出増が國內の米高騰を招いたことを理由とし、「価格を抑え自國の消費を保証」するため、バスマティなどの高級品種以外の米の輸出を禁止すると発表した。
この措置は世界の米の需給に重大な影響を生んだ。米國農務省の統計によると、インドの米輸出量は2022?23年度に2250萬トンにのぼり、世界市場の40%を占めた。インドに次ぐタイの同期の輸出量は850萬トンのみだった。
7年ぶりのエルニーニョ現象が米不作のリスクを拡大した。エルニーニョ現象が発生すると太平洋赤道海域の海面溫度が異常に高くなり、米主要生産地の東南アジアで雨不足による干ばつが発生する恐れがあるからだ。
米と並ぶ主要食糧である小麥の供給にも変動が生じる恐れがある。
7月下旬、國際指標のシカゴ商品取引所小麥先物の9月相場が1ブッシェル7.7ドルをつけ、2月下旬以來の最高値となった。
國際米価格は、ロシアとウクライナの衝突により小麥などの穀物価格が急騰した昨年に比較的安定し、世界的な食料危機のエスカレートを和らげる効果を発揮した。現在は小麥と米の供給逼迫が同時に発生している。米と小麥が不足すれば、安価な代替案を見つけることが困難になりそうだ。
農業の物価高が再び訪れれば、最も深刻な影響を受けるのは経済が低迷する食糧輸入への依存が強いアフリカなどの新興國だ。國際食糧価格が暴騰すれば、これらの國は外貨準備の不足により十分な食糧を調達できず、それにより國內の物価高が深刻化し、大規模な飢餓が生じる恐れもある。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2023年8月7日