世界経済の回復の原動力が乏しく、世界の貿易が全體的に低迷し、外需が持続的に疲弊した過去1年において、中國の「新御三家」(電気自動車、リチウムイオンバッテリー、太陽電池)の輸出額が計1兆600億元にのぼり、逆風が吹くなか前年比で30%弱も増加した。國際市場をしっかり開拓すると同時に、中國の貿易の全體的な安定に貢獻した。
予想に違わず、歐米の一部の政治家やメディアは直ちに奇妙な目を向け、これはいわゆる新たな「チャイナ?ショック」であり、中國が「過剰生産能力」を國際市場に転嫁しているなどと濡れ衣を著せた。EUは昨年9月に中國がダンピングを行っていると批判し、かつ中國製EVに反補助金調査を実施した。米國はさらに疑心暗鬼になり、またもや「國家安全」を口実に中國製EVの米國市場進出を妨害した。レモンド米商務長官はさらに、中國製スマートカーは「車輪をつけたiPhone」のように米國人のデータを収集すると濡れ衣を著せた。レモンド氏はまた「300萬臺の中國車が米國の道路を走行し、中國が同時にそのエンジンを切ることができればどうなるか」と憶測し、一時笑いの種になった。これらの大げさな反応は再び、米國の中國製EV、ひいてはより多くの新興テクノロジー産業の臺頭への偏見、さらには敵意を露呈したが、新味はなかった。
客観的に論じると、中國の新エネ製品の急速な発展が先に巻き込んだのは國內市場だ。例えばEV分野を見ると、現在は少數のトップ企業が黒字化しているだけで、殘りのメーカーはほぼ赤字の狀態だ。國內で血みどろの価格競爭が展開される中、中國製EVの歐州輸出後の販売価格は少なくとも國內を30%上回り、さらには2倍以上にのぼる。無理やり中國に「非市場経済」というレッテルを貼り、ありもしないことで攻撃?中傷しようとするのでなければ、低価格ダンピングという「罪名」を中國車になすりつけることはできない。補助金について、中國國內の補助措置は2022年末に終了しているが、歐米は現在、競うようにして自國の自動車メーカーに補助金を出している。
中國の「新御三家」の國際市場での臺頭は、中國の製造業のグローバル化の縮図に過ぎない。長年の積み重ねと地道な取り組みを経て、中國はついに産業チェーンのハイエンドに立ち歐米と雌雄を決するチャンスを迎えた。しかし歐米は中國のこれらの分野の発展を狹隘な目で見ており、気分を害している。そこで「過剰生産能力」や「低価格ダンピング」という古い批判を繰り返し、「國家安全の脅威」などの口実を設けている。
角度を変えて國際分業に著眼すれば、中國の新エネ製品の世界に対する積極的な意義を「目視」できる。ロシアとウクライナの衝突、ガザ地區の紛爭、紅海の危機は地域ひいては國際情勢をかき亂している。世界のサプライチェーンが圧力を受け続け、歐米でインフレのリスクが殘されている。この時期に新エネ製品を含む中國製品の輸出増はある意味、歐米ひいては世界範囲のインフレ対策に援助の手を差し伸べている。長期的に見ると、中國の新エネ産業の臺頭は、世界経済のグリーンなモデル転換に対しても重大な戦略的意義を持つ。中國の全産業チェーン體系のグリーンな生産能力への大規模なモデル転換は、世界が低炭素の目標を達成するための歴史的な貢獻になる。
全體的に見ると、中國の新エネ産業は対外的に協力とウィンウィンの態度を持つ。歐米からのいわれなき圧力に直面しても海外市場を積極的に切り開き、他國でのグリーンフィールド投資を模索している。彼らはまた追加関稅やその他の貿易障壁に対応する十分な我慢強さを持っている。歐米は保護主義の措置で一時的な「安寧」を手にするかもしれないが、最終的には客観的な経済の法則に勝てない。
中國は大規模な貿易黒字を求めず、國際市場を獨占しようとしたこともない。中國の「雙循環」戦略は國內大循環を主體とすることを堅持する。中國企業は國際循環と國際分業に積極的に參加し、貿易の動的なバランスと構造の均衡を求める。これは自國の発展に必要なことであり、世界経済に純利益をもたらす。中國は経済成長に占める製造業の割合を安定させつつ、サービス業の割合を高めるよう取り組んでいる。これは質の高い発展を実現するための內在的な要求だ。中國は將來的に輸入を積極的に拡大し、貿易のバランスをさらに促進し、國際貿易の安定と持続可能な発展により大きな貢獻を成し遂げる。
それと同時に中國は新たな質の生産力の発展の促進に取り組んでいる。今後は國際的な競爭力を持つ、先進的な消費體験をリードするハイテク製品が増え、世界市場により高品質でより豊富な選択肢を提供する。これは中國経済がバリューチェーンの川上に上がることによる自然な結果だ。當然ながら歐米を含むその他の國及び地域も競爭力を持つ新製品を生み出し、世界の消費者の利益を増やすだろう。これは必然的により多くの競爭を起こすが、重要なのは市場の開放、ルールの透明性、基準の統一、公平な競爭制度を常に保つことだ。現在の歐米の一部の政治家やメディアのような、中國の「新御三家」に対する汚名化?政治化?陣営化や対中「デカップリング?チェーン寸斷」であってはならない。公正で合理的な競爭ルールと開放的で包摂的な市場體系を維持することで、競爭の結果が初めてウィンウィンになる。これはすでに歴史によって何度も証明されている。
當然ながらより積極的なやり方は、人々が市場分業に基づき先進技術を共有し、産業チェーンで協力することだ。歐米の一部の先進國は長期的に圧倒的な技術力を獨占してきたが、今や彼らの専売特許ではない先進技術が増えている。彼らの貿易戦爭や技術封鎖などの抑圧も、中國による歐米の技術獨占の打破をまったく妨げられず、むしろ中國が力を集中し封鎖を突破する道を示していることが証明されている。歐米の理性ある関係者はすでに考え直している。例えば米國の中國車への追加関稅は最終的に無効と証明され、米自動車メーカーのイノベーションを刺激しないばかりか、さらに米國國內のEV普及やグリーンエコノミーの発展を妨げると指摘する聲もある。それよりも米國は公平で前向きな競爭の姿勢により、このEV革命に加わるべきだ。中國製品の臺頭を理性的に見るよう聲を上げる歐米の識者が増えることを願う。
(筆者=廖崢嶸?中國社會科學院和平発展研究所所長)
?中國網日本語版(チャイナネット)?2024年3月13日