中國の電気自動車(EV)には果たして中核技術があるのだろうか。この質問に答えるためにはまず、EVの中核技術とは何かをはっきりさせる必要がある。従來のガソリン車の中核技術が主にエンジン、ギアボックス、シャーシの3大部品を指すとするならば、EVの中核技術はバッテリー、モーター、電気制御と、スマート運転及びスマート運転席だ。
國家戦略のけん引と企業による難関攻略により、中國のEVは米日歐のガソリン車の有力分野を避け、新エネというコースで中核技術のリードを形成した。例えば2023年度國家科學技術進歩2等賞を獲得した、大規模産業化向けの動力電池研究開発及び製造基幹技術がある。うち単結晶ニッケルコバルトマンガン三元、気體電力デカップリング安全防護、DPPBレベルゼロディフェクト製造(バッテリーセル単體の欠陥率は10億分の1)などの技術は世界初。中國自動車産業は中核部品技術で初めて世界をリードし、中國の新エネ車産業化を力強く促した。
実際に産業チェーンの強みは上述した中核技術によって支えられる。中核技術の支援がなければ、一國の産業チェーンとサプライチェーンはリードの強みを形成できない?,F在の世界自動車産業の協力の性質を見ると、VWやステランティスなどのグローバル自動車メーカーは小鵬や零跑汽車に出資し、技術?製品?ブランドを導入している。導入する側と輸出する側の立場が変わったことは、グローバル自動車メーカーの中國EV技術への評価を示している。中核技術が製品の強みを支えるのでなければ、EUが保護貿易の棍棒を振り回し中國製EVに高額の追加関稅を導入し、自身の自動車メーカーのモデル転換の時間を稼ごうとすることはない。
興味深いことに、米ブルームバーグは先月、「中國政府は中國自動車メーカーによる海外工場でのノックダウン生産を奨勵している」と報じた。これは自動車の中核?基幹部品が國內で生産され、目的地で最終組み立てが行われることを意味する。筆者の意図はさておき、これは少なくとも中國製EVに中核技術が存在することを間接的に証明している。
國內の自動車市場は現在競爭が激しく、さらに産業の変革の圧力と自動車メーカーの販売増の誘惑が重なり、自動車をめぐる世論はかつてないほど複雑で騒然としている。浮足立った環境においてこそ、客観性と理性を保つ必要がある。盲目的に自己評価を高くし過ぎても、低くし過ぎてもならない。産業発展に正確な認識と判斷を持つことは、企業が競爭の中で立ち位置を見つけ、強みを手にするための前提條件だ。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2024年10月25日