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評論:靖國參拝、小泉首相の弁解は自己矛盾

日本の小泉純一郎首相は、2001年の首相就任以來、前後合わせて5回の靖國神社參拝を行った。小泉首相は幾度も自分の行為を弁解している。対外的には「自分の參拝は、特定の対象を哀悼するものではなく、自ら望まずして戦地に倒れた人々や戦場に赴いた人々に哀悼の意を表するものであり、二度と戦爭を行わないという決意で參拝しているものである」と表明している。一方で國內的には「日本人として、戦沒者に対してしかるべき敬意を持って、誠心誠意をもって感謝を表すもので、決して悪いことではない」「中國の不満は知っているが、外國がわれわれの慰霊のやり方を『適切でない』としたからといって、參拝を停止するのはいかがなものか」と公言し、仮に別の施設を作っても、靖國神社に替えることはできない、としている。

このように國外向け?國內向けに2種類の論調を使えば、社會の情報化が進む今日にあって、最終的には國內外の信頼を失うだけである。小泉首相の弁解には、理解しがたい矛盾がいくつかある。

第一に、日本のある人がA級戦犯の霊を靖國神社から出すよう提案したとき、日本の右翼勢力と靖國神社はともに反対した。その「理由」の一つは、一旦靖國神社に祭られた霊は、ひとしずくの水が海に落ちれば再び分けることが不可能になるのと同じで、靖國神社と不可分ないわゆる「英霊」となるため、としている。しかし、日本の首相が參拝する対象こそ、まさにいわゆる「英霊」だ。これが美化でなくて何だと言うのだろうか。それとも、靖國神社が分離できないとしている「英霊」は、小泉首相の參拝時のみ分離が可能で、「特定の対象」から除外されるとでも言うだろうか。

第二に、小泉首相は、靖國神社の戦沒者の霊に「敬意」と「誠心誠意をもって感謝」を表明している。しかし、その主體はアジアの近隣諸國を侵略した加害者であり、その中にはA級戦犯が含まれる。日本の首相として、一方で、被害者に対する「反省」と「お詫び」を表しながら、一方で、その加害者に対し「敬意」と「感謝」の意を表している。これが正常な思考と言えるだろうか。日本は侵略戦爭を発動した當時にも、「アジアを解放する」、「東アジアの平和のため」などの口実を掲げていたではないか。現在、小泉首相が「再び戦爭を行わないという決意でもって參拝している」と言ったところで、參拝の行為そのものがすでに、アジア近隣諸國の人々に対する精神面での再度の加害になっている。なぜなら、これまで常に「行いは言葉に勝る」であったからだ。

第三に、長期にわたって、日本にはある種の「神話」があり、日本の伝統的な宗教文化の考え方では「人は死ねばみな仏になる」とされ、「善悪は分けられなくなる」ので、A級戦犯の霊の罪を追及される必要もなくなり、靖國神社を參拝できるようになる、と強調している。これは明らかに、戦時中に靖國神社が高く掲げた國家神道から無形の影響を受けており、人々を著しく誤った方向に導くものだ。実際のところ、靖國神社以前の古い神道の考え方では、霊魂の概念は大きく「和魂」(にぎみたま)と「荒魂」(あらみたま)の二つに分けられている。前者は安寧をもたらし、後者は災厄をもたらすものである。

日本の神に関する伝統的な概念にも、「善神」(ぜんじん)と「悪神」(あくしん)の二種類がある。前者は、「和魂」や「祖霊」と相通じる平安の神である。後者は、「荒魂」、「怨魂」(えんこん)すなわち戦亂、伝染病、災害などの犠牲者の霊と相通じる邪悪の神である。「御霊信仰」(ごりょうしんこう)の中で、「慰霊」(いれい)は「祖霊」に対する慰謝に源があるが、「鎮魂」(みたましずめ)はすなわち「荒魂」を鎮めることに重きを置く。人々は「鎮魂」を通して、「荒魂」を「和魂」や「善神」に変えるために祈禱した。殘念なことに、現在多くの日本人が、こうした日本の真の伝統的宗教文化の考え方を理解していおらず、また正確な日本語で「和魂」や「荒魂」、「善神」、「悪神」などの言葉を音読できないことだ。問題は、靖國神社參拝を主張する人が、しばしば日本の伝統文化回復を主張していることだ。これでは自分への風刺ではないか。靖國神社自體、すべての霊を祭る場所ではなく、戦爭中に「お國のために身を挺し」たいわゆる「英霊」だけを祭っている。そのほか、もし「人は死ねばみな仏となる」と深く信じることが日本の伝統文化となれば、生きている間の自律意識にも悪影響が出はしまいか。

この自己矛盾の混亂したロジックは、なんら説得力はない。小泉首相の靖國神社參拝に対する固執は、中國の人々の感情を傷つけるだけでなく、幾度にもわたって両國の各界の人々による関係改善への努力を妨げており、中日関係の困難をもたらす諸悪の根源となっている。(文:劉江永)

「人民網日本語版」 2005年10月19日

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