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中國第1回壽山石篆刻蕓術展が閉幕、5月大阪へ |
発信時間: 2008-04-17 | チャイナネット |
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「北京週報」専門家 清水 由実 6日から北京の中華世紀壇で開かれていた「“金石永壽”──中國第1回壽山石篆刻蕓術展」が16日、幕を閉じた。
同蕓術展は中國蕓術研究院が主催し、中國で初めて「壽山石」をテーマとして、100名近い著名な篆刻家による500點余りの篆刻作品が一堂に集められたものだ。
中國篆刻蕓術院の駱芃芃常務副院長と筆者
壽山石は「石中の王」との異名をとる石。中國福建省福州市郊外の壽山村だけで産出される天然石の総稱でさまざまな種類があるが、今はもう採れない資源だ。壽山石は1億年から2億年の時をかけて形成されたもので、そのころ激しい地殻変動が起きて火山が噴火し、その火山巖活動の結果誕生したという。大規模な噴火ではなく、小規模なマグマの活動があり、これが地下水や地下の鉱物資源と混ざり合って「熱液」と呼ばれる物質をつくり、この液體が押し出されて石の斷層の隙間に時間をかけて浸透していき、のちに凝固して壽山石になったという。こうして生まれた壽山石は、巖層の隙間にあるため、山をまるごと1つまたは広大な地勢を1カ所まるごと採掘でもしない限り、石の隙間から気長に見つけて掘り出すしかないというわけだ。壽山石が採掘困難な極めて貴重な石として尊ばれる理由はここにある。
壽山汶洋石の太獅少獅印章飾り枠印 鄭則評?作
中國篆刻蕓術院の駱芃芃常務副院長によると、これまでの篆刻作品展が比較的小規模で表現スタイルが単調だったのとは異なり、今回は篆刻蕓術家の自由な創作品、テーマ作品、逸品をそれぞれ分けて展示し、見る者を飽きさせない工夫がなされたという。
入口から続く回廊には自由創作の作品が展示され、その途中、脇の展示室の1つを覗けば、そこにはテーマ作品が展示されている。このテーマ作品展では約100名の篆刻家が5カ月以上をかけてそれぞれ種類の異なる壽山石に篆刻した孔子の『論語』および老子の『道徳経』中の名言?警句が展示されている。まるで孔子、老子の時代にタイムスリップしたような靜謐な雰囲気の中で外界とは全く異なるゆったりした時間が流れているように感じられる。
さらに進むと、そこには清代以降の大家の作品と壽山石の逸品が展示されている。他では見ることのできない貴重な壽山石の數々をここで目の當たりにすることができる。さらに、篆刻に関する書籍や篆刻に使う道具などが棚に並べられ、それらは自由に手にとって見ることができる。これも今までにない新しい試みだったという。
今回の蕓術展作品のうち、テーマ作品として展示された『論語』からの作品100點と『道徳経』からの作品33點は、5月20日~25日に日本でも大阪市立美術館での展示が予定されている。
「北京週報日本語版」 2008年4月17日
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