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メダル

2007年3月27日に、北京五輪組織委員會は首都博物館で、2008年北京五輪メダルのデザインを発表した。

北京五輪のメダルは直徑70ミリで、厚さ6ミリである。メダルの正面はIOCが指定した模様である。つまり、翼をひろげて立っている勝利の女神のイメージ、およびギリシアのパナシナイコ競技場の全景である。メダルの裏面には中國古代の竜の模様のついた玉がちりばめられている。裏面の真ん中の金屬には北京五輪のエンブレムが刻まれている。メダルのホックは中國の伝統的な「雙竜(二つの竜)の模様の玉」を変形させたもの。

北京五輪メダルの正面

 

これまでの五輪メダルの材料は変わったことがないが、北京五輪のメダルは従來の慣例を突き破り、玉をちりばめることになった。金には白玉、銀には青白玉、銅には青玉がそれぞれ嵌め込められています。

硬くて冷たい感じを與える金屬と、柔らかくて溫和な感じがする玉、相反するもののコンビですが、つりあいがよく、互いに引き付けているムードに包まれています。

「玉」に対して、中國人は、いろいろな思いを抱えています。まず、「健康や幸せを守り、魔を避ける」ものとみられ、「お守り」として使われています。ですから、子供を始め、男女を問わず、多くの人が「玉」製のペンダントをつけています。それに、友人や家族などにも、このような心を込めてプレゼントします。

 

北京五輪メダルの裏面

 

それから、「玉」を「美しいもののシンボル」としています。女性を喩える言葉には、よく「玉」が付いているのはこのためです。たとえば、きれいな女性を指す言葉には、「玉人、玉女」などがあり、手を「玉手」、髪の毛を「玉髪」、目を「玉目」と表現するなどいろいろあります。

このほか、「玉」は「仁、義、知、勇、潔白」など「君子」の美徳のシンボルともされ、「君子は玉で作られた飾りものを體からはずしてはならない」とされていました。このことから、男性の名前に「玉」をつけるケースも多く、「素敵で、立派な」男性に成長する願いが込められています。

中國の先祖は、「玉」は天と地のエッセンスの塊で、この世界では、天と地を通じられる唯一のものだと見ていました。このことから、天と地を祭るものには、「玉」製のものが多かったです。そして、皇帝は天子、王権は天の意思で授けられたことを表すため、皇帝は必ず「璧」という極上の「玉」を身につけていました。このほか、軍事、政治、宗教など、幅広く使用されていました。2000年ぐらい前の漢の時代の文化財である「金縷玉衣」が世界で知られていますが、それは、「玉」には防腐作用があるとされていたからです。

このように、古代から現在まで、「玉」は中國人の心の中で、いろいろな意味が込められており、普段の暮らしで縁起のいいものとされています。メダルのデザインでは、「玉」に込められている「美徳」を生かして、選手たちへの尊敬や賛美を表現しているということです。また、北京オリンピックに使われる「玉」は、五大の玉産地から集められることになります。それは、陝西の「蘭田玉」、河南の「南陽玉」、甘粛の「酒泉玉」、遼寧の「岫巖玉」、新疆の「和田玉」です。

日々近づく北京オリンピック、「天と地のエッセンスを集めた玉」が選手たちをより輝かせることを期待しています。

 

「チャイナネット」2008年7月31日

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