中國科技大學の潘建偉?教授率いる研究チームがこのほど、合肥で世界初となるオールパス型量子通信ネットワーク(全域通過回路型量子通信網)を完成させ、音聲を使ったリアルタイムでの量子暗號通信が初めて実現した。中國科學院が主宰した「MAN(Metropolitan Area Network)量子通信技術」成果鑑定會で明らかになった。。「科學時報」が6日に伝えた。
鑑定委員會はこの成果を、同類の技術において、國際的にも先進的なレベルにあると見ている。
潘建偉研究チームは中國科學院?科學技術部らのサポートのもと、長年の努力を経て、08年に商業用光ファイバー網を基礎とした、光ファイバー量子暗號通信の原型となるシステムの開発に成功、合肥で世界初となる光量子電話ネットワークを作り上げ、絶対に安全な量子暗號通信ネットワーク実験研究を行う2大研究チームの1つと報道された(もう1チームはヨーロッパの共同実験チーム)。
米「サイエンス」誌は「量子電話」というタイトルでこれを報道し、「量子によるプライバシー保護が一般家庭で利用される時代も遠くはないだろう」と評論した。
潘建偉研究チームはこれらの基礎の上にさらに努力を重ね、量子通信端末設備と光量子制御スイッチ、高性能パスワード生成?管理システムなどの要となる設備や技術を開発、上述の量子通信システムの機能をさらに拡張した5ノードのスター量子通信ネットワークを合肥で完成させた。
これまでの3ノードのネットワークに比べて、5ノードネットワークは世界初のオールパス型量子通信ネットワークとなる。2組のユーザー間で初めて、互いに影響を及ぼさずに同時に通信することに成功した。
同ネットワークのユーザー間距離は20キロまで伸ばすことが可能で、中型都市までカバーできる。同ネットワークは「相互連絡?相互通信」と「信頼できる中継システム」という2つの重要な量子通信グループネット方式に対応しており、また上級ユーザーから下級ユーザーに対する通信権の管理も可能となった。この成果により、量子通信システムグループネットとその拡張能力が初めて検証された。このことは、大規模な拡張が可能な量子通信技術の成熟を示し、量子通信の実用化?産業化がまた一歩前進したと言える。(編集SN)
「人民網日本語版」2009年9月7日