南極の氷の2.44キロメートル下に先ごろ、世界最大のニュートリノ観測所「アイスキューブ(IceCube)」の建設が完了した。
「アイスキューブ」は南極に作られた巨大なニュートリノ観測所で、光速で地球を貫通する素粒子ニュートリノを発見することが目的だ。ニュートリノは観測するのが難しい粒子だ。科學者たちは何年にもわたって氷を利用してデータを集めているが、観測所の建設は先ごろ終了したばかりだ。ニュートリノについてはまだよくわかっていないが、我々の太陽系や神秘的なブラックホールに関する情報を秘めたものと考えられている。
ニュートリノは、宇宙の辺縁に位置する星系の衝突やブラックホールの産物といった、強烈な宇宙現象により誕生したと物理學者は見ている。この神秘的な粒子は宇宙空間を數十億光年も進むことができ、磁場や原子により吸収されたり、運動の方向が変更されることがない。ニュートリノを通じて、宇宙の最も基本的な問題に関する答えを見つけることを科學者は期待している。もっともこの目的を実現するには、まずニュートリノを発見しなければならない。このため、科學者たちは氷を利用してニュートリノが氷と衝突する珍しい場面を観測している。
この巨大な観測所は南極の地下2.44キロの氷の下にある。プロジェクト全體は2億7900萬ドルを費やし、アメリカ國立科學財団(NSF)が2億4200萬ドルの資金援助を提供している。建設プロジェクトの最終段階は光學センサー5160個のために86個の穴を掘削することで、これらセンサーは既に設置が完了し、観測所の一部となっている。ニュートリノと原子が衝突した際にミュオンが生じ、青色光が発生する。南極の氷は透明度が高いため、「アイスキューブ」のセンサーはこの青色光をとらえることができる。(編集YH)
「人民網日本語版」2010年12月27日