「植物はどんなに傷つくことも恐れず、前向きでポジティブな精神がある。これが、私が植物を記録している理由」。湖北省宜昌市に住む聴覚障害者の白文■さん(30、■は女へんに亭)はこう話す。そんな白さんが書いた植物に関する著書「草木有情」がこのほど刊行された。中國新聞網が報じた。
撮影した植物の畫像をパソコンで整理する白さん。(撮影:高伊洛)
2008年に高校を卒業した白さんは、家族の賛同を取りつけ、一人で浙江省溫州市に來て仕事を探した?!笢刂菔肖鞘聞栅问耸陇蛞姢膜堡?。月給は2000元(1元は約15.57円)ちょっと。長旅を計畫していたので、ほぼ全部貯金していた」と白さんは言う。
2012年に約2萬元を貯金し、準備を整えた白さんは一人旅に出かけた。そして、1年かけて、北京、上海、重慶、南京、杭州、合肥、黃山、成都、昆明、麗江、大理、西安、太原、仏山など、中國全土70都市以上を巡った。
都市や農村などを巡り、各地の風土や人情を楽しんだほか、白さんは各地の植物に目を奪われるようになった?!袱い恧螭市韦颏筏恐参铯蚰郡摔筏??;à馊~も、どれもが唯一無二で、それらについてよく知りたいと思うようになった」と振り返る。
宜昌市に戻ってから、白さんは毎週末、山や川などに行き、植物を観察したり、撮影したりした。そして家に帰ってからそれら植物の資料を調べ、記録してきた。また、植物をより美しく記録するために、寫真撮影や略畫も獨學した。
野外で植物の寫真を撮影する白さん。(畫像は白さんが提供)
寫真撮影や美術という趣味のおかげで、白さんは愛する人にも出會い、その夫の応援が植物を記録し続ける原動力になってきたという。2018年、妊娠してあちこちに出かけることができなくなった白さんは、友人の勧めもあって、自身の公式微信(Wechat)アカウント「草木悅本心」で文章を投稿するようになった。
白さんが書いた植物に関する文章は、中國紡績出版社の目に留まり、同社の編集部が彼女に連絡。本を刊行したいと申し出た。白さんは、「その時はあまりに意外なことで、びっくりした。自分が書いた文章が出版社の目に留まるなんて思ってもみなかった」と話す。白さんの作品「草木有情」は、2019年11月に刊行された。
「草木有情」は、春?夏?秋?冬の四章に分けて、「萬物に感情がある、草木を通して季節を知る」をメインテーマに、畫像と文を織り交ぜて、植物38種類を紹介している。畫像は全て白さんが実際に植物が生育する場所に行って撮影したもので、文も資料を調べた後に白さん自身が綴ったものだ。
「スイカズラは春につぼみができ、夏になると甘い香りが漂い、街中で香りを楽しむことができる」。同作品に出てくるそのようなフレーズに、多くの読者が共感を覚えている。あるネットユーザーは、同作品を購入し、「じっくりと読むと、作者と一緒に植物と會話をしているようで、萬物に感情があると感じてくる」とコメントを綴っている。
「世界には植物が約45萬種類ある。でも、この本で紹介しているのはわずか38種類。だから、今後も撮影や勉強、研究を続け、文章を書き続けたい。息子の模範となり、彼にも何かの分野の知識を好きになってほしい。そして、勇敢に、一つのことをストイックに続け、謙虛にこの世界と向き合ってほしい」と白さんは話している。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年9月16日