今どき、1元(約15.77円)で何が出來るだろうか。北京市西城區(qū)の床屋ならば、60歳以上の高齢者は1元で散髪できる。このシニア優(yōu)待サービスは22年続いている。北京晩報が伝えた。
午前9時ごろ、この「阿兵栄輝理髪店」の入口では、5、6人の高齢者が椅子に座り散髪を待っていた。
順番を待っていた江さんは「ここ以外の店には行かない」と語る。彼女の髪は伸びるのが遅く、1年で2、3回散髪するだけでいいという。江さんがこの店に通うようになってから、もう十年以上になる。馬さん(86)は、「私はここから2駅離れた所で暮らしている」と、鏡に映るさっぱりした自分を見ながら満足そうに言った。彼がここに通うようになりもう2年になる。
この床屋はなぜこのサービスを続けているのだろうか。
店の経営者である葉偉兵さんは1992年に北京に來た時、市內(nèi)をあちこち回った末にやっとのことである床屋に就職した。葉さんは、外で営業(yè)している露天の床屋では、季節(jié)に関わらず、髪を切ろうと待っている人の多くが白髪の高齢者であることに気づいた。話を聞くと、彼らも店舗を構(gòu)えている床屋に通いたいが、高いので露天の店を選んでいるのだという。
道端で風(fēng)に吹かれ日差しを浴びながら散髪を待つ高齢者を見ながら、葉さんは胸を痛めた。そして、もし將來自分の店を持てたならば、店內(nèi)に高齢者の髪を切る場所を作ろうと密かに決意した。葉さんは1998年に自分の床屋を開くと、このシニア優(yōu)待サービスを開始した。
當(dāng)初は無料だったが、一部の高齢者は申し訳ないという気持ちからどうしても料金を払おうとしたため、葉さんは「どうしても払いたいということなら、1元で結(jié)構(gòu)です」ということにした。この料金は床屋の帳簿には記録されず、入口の募金箱に入れられた。「深刻な災(zāi)害が発生したり、身近な人が手助けを必要としている時に、この募金箱のお金を取り出し最も必要としている所に寄付している」と葉さんは言う。
感動的なことに、多くの高齢者は床屋の従業(yè)員を自分の子供のように見ている。「新年や祭日になると、お年寄りたちが美味しいものを?qū)盲堡皮臁⒐枢_を離れて働くのも大変だろうと聲をかけてくれる」と葉さん。そして、常連客の高齢者がしばらく顔を出さないことがあると、従業(yè)員たちもコミュニティに行きその近況を?qū)い亭搿!杆饯郡沥霞易澶撙郡い胜猡韦扦工椤工热~さんは語っている。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年10月10日