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中國も省エネ?環(huán)境保護に本腰か |
発信時間: 2009-03-30 | チャイナネット |
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林國本
このところ、中國のメディアでは省エネ?環(huán)境保護についての記事が増えており、さいきん、北京で開催された展示會に政府のトップたちも姿を見せ、本腰を入れて取り組もうとする意欲を感じた。 筆者は十數(shù)年らい、この分野は21世紀における大きな課題とみて、ずっとフォローしてきたが、発展途上國の中國にとっては、これは長期的なテーマだと考えている。 ラッキーなことに、長年さまざまな環(huán)境保護分野の日本人エキスパートの話を聞く機會にも恵まれ、またジャーナリストとしてこの分野の記事をチェックする仕事もかなりこなしてきた。日本のこの分野の書籍も、中國のジャーナリストとしてめずらしいといわれるほど集めてきた。 この分野では日本は先頭を行く存在であり、その技術(shù)、ノウハウを各國に提供する立場にある。しかし、環(huán)境保護事典などをみると、ほとんどの公害に関する用語は日本を発生源とするものである。そして、こうした公害やそれにからむ訴訟などを乗り越えて、今や世界に誇る環(huán)境保護技術(shù)を開発するに至ったのである。 中國も日本をはじめとする、環(huán)境技術(shù)面で先進國といわれる國々と交流を重ねる中で、一歩、一歩と前進をとげてきた。 筆者は、事典だけでは実態(tài)がつかめないので、いっそのこと、「人材派遣會社」関係の友人にお願いして、日本人エキスパートに隨行させてもらい、実地に現(xiàn)場に入って勉強したこともある。これはまさに、一石二鳥の勉強方法であり、その後の仕事にたいへんプラスとなった。 もちろん、國土面積の広大な中國のこと、省エネ、環(huán)境保護の面で日本と同じレベルに達するのはまだまだ先のこと。しかし、やるぞと決意したからには、中國は必ずやり遂げるにちがいない。 昨今は、新企業(yè)を立ち上げる場合、ほとんど設計段階から環(huán)境保全をちゃんと念頭においているケースも多い。北京も青空の日が増えた。しかし、モータリゼーションのまっただ中にある中國では、大気環(huán)境の保全は大きな課題である。筆者たちの若い頃は、北京は自転車天國の時代であった。ところが、今ではマイカーの時代。自動車ローンを組めばすぐクルマが買えるご時世である。數(shù)十年間はマイカー?ブームが続くにちがいない。自動車産業(yè)は工業(yè)技術(shù)の発展に大きく寄與する、裾野の広いリーディング?インダストリー、と言っても過言ではない。いまここで省エネ、環(huán)境保全を聲高に叫んだところで、聞いてくれるはずはない。いろいろ教訓を汲み取ってはじめて方向転換ということになるのだろう。 さて、省エネ、環(huán)境保全技術(shù)については、まったくの私見ではあるが、自分たちで試行錯誤を繰り返して開発したほうがよいと考えている。すべて外國依存となると高い特許料を払わされ、挙句の果ては長年高価な部品を買わされることになる。私企業(yè)である外國企業(yè)としても、高い金利を払って銀行からお金を借りて、リスクを取って開発した技術(shù)だから、元を取り戻し、収益の柱にしようとする気持ちはわからないではない。しかし、いつまでも他力本願では、自國の人材が育たなくなる。このあたりは熟考すべきである。 かつて、地質(zhì)探査や石油資源の調(diào)査に不可欠なスーパーコンピューターや精密工作機械が、一部の國から「軍事利用の懸念あり」として、対中輸出が禁じられていたが、今ではちゃんと國産化されている。 要するに、人間がつくるもので、中國人につくれないものはない、といってもよい。開発の期間などを考えて、向こうが売ってくれるというものなら、「お金で時間」を買うことをまったく否定するわけではないが、とにかく、なるべく自主開発の道を選ぶことが賢明である。 有人宇宙飛行にも成功し、やがては月だ、ということがマスコミで公然と語られている昨今のこと、そして次ぎの三十年には中程度の発達國の仲間入りをすることもほぼまちがいない。そうなると、世界各國から発達國並みに行動することを求められるようになる。これからはいろいろな面でグレードアップが求められることになる。次ぎの三十年は希望にみちた三十年になろうが、また、いろいろな面でのさらなる努力も必要となろう。省エネ、環(huán)境技術(shù)しかり、鉄道の高速化しかり、社會保障のさらなる改善しかりである。
「チャイナネット」 2009年3月30日 |
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