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『王妃の紋章(満城盡帯黃金甲)』(2006年)

発信時間: 2009-08-27 | チャイナネット

『王妃の紋章(原題:満城盡帯黃金甲)』

監督 張蕓謀2006年 中國 126分 2008年4月12日 日本全國公開

あらすじ

五代十國時代。とある國の國王には3人の王子がいた。王の出征中、なさぬ仲の王妃と関係を持った皇太子元祥は、父王の帰還に怯え、王妃につれなくする。一方、すでに王妃の長男との不義密通を知っている國王は、殿醫に命じてトリカブト入りの漢方薬を毎日飲ませており、王妃に薬を飲ませる役目は、皇太子と戀仲である殿醫の娘が擔當していた。體の不調と薬の関係を怪しんだ王妃は、秘かに密偵に薬物を探らせるが、その密偵の女性は、かつて、帝位に就く前一介の武人だった頃の王が皇太子を産ませた女性であり、現在は殿醫の妻で、皇太子の戀人の実母だった。

辺境より帰還した次男の傑王子は、王妃から事の次第を告げられ、重陽の節句の日に謀反を決行、國王に退位を迫るという王妃の計畫に加擔することを決意。國王もまた秘密を知りすぎた殿醫夫婦とその娘を秘かに殺害すべく兵を派遣する。城中を埋め盡くした菊の花の中で、親子、夫婦、兄弟の血みどろの殺戮劇が展開する。

解説

ちょうど1年前、中國でお正月にこの作品を見た時は、美術や衣裝がただひたすら豪華なだけで、內容の空疎な映畫だと感じ、何だかなあと失望したものだったが、今回、1年ぶりに日本で改めて見直してみて、ちょっと考えが変わった。

ひょっとして、この映畫は今の中國社會全體への警鐘なのではなかろうか。成金趣味の金ピカ宮殿と衣裝は、まさに今のバブリーな中國を、人間らしい心をどこかに置き去りにし、己の欲望に翻弄される登場人物たちに、精神的支柱を求めてもがく今の中國人を、それぞれ仮託しているのではないか。でも、そう思いつつ、ふと來日中の張蕓謀監督の足元を見ると、プラダの靴なんか履いているわけで(ベネチアで買ったのかな)、私の深読みかなあ。

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