「気候変動は、中國の主要食料生産地域にとって大きな壁となる。もっとも深刻な事態は、2030年頃に発生するだろう。東北三省(黒龍江省?吉林省?遼寧省)、華北の河南?河北地域では水資源が2~7%減少するため、食物の生産量が減少する可能性がある」。
19日、南京で開催された「気候変動?水資源管理フォーラム」で、環境の変化が地球の水環境にどのような影響を及ぼすかについて、中國と國外の専門家らが意見交換を行った。中國水利部気候変動対策研究センターの王國慶教授は、「気候変動が中國の主要食糧生産地域の水資源に及ぼす影響とその対策」について意見を発表した。
中國の気候変動対策プロジェクトの責任者である王教授は、「國際政府間気候変動委員會」が予測した將來の地球環境の変化狀況を元に、今後の水資源の狀態を分析した。3つの気候変動モデルが予測され、調査の結果、中國の食糧生産の主要地域である東北三省と華北平原への悪影響が深刻であることが分かった。王教授は「東北三省と華北の河南?河北地域は水資源が減少するため干ばつが発生するかもしれない。また、山東地域では水が増加するために冠水が発生する可能性がある。これは農業にとっては大打撃となる」と指摘した。
王教授は、「気候変動に対応するため、二酸化炭素の排出量を削減することは長期的な取り組みの一つになるだろう。短期的な水不足への対策としては、水利工事などが必要になる」と述べた。
今後10年間で、中國政府が水利事業に投入する資金は4兆元に上るという。今回のフォーラムで、水利部の胡四一副部長は、「中國は大規模な水利事業を通して、2020年には洪水?干ばつ対策を完成させる。自然災害に対応できる體制を整え、水資源の合理的な供給と効率的な利用、水資源の保護と川?湖の保護に力を入れる」と述べた。
「中國網日本語版(チャイナネット)」2011年4月22日