李家祺＝文

　砂漠化の防止は全人類が直面する共通の課題だ。中國(guó)での砂漠化の主な狀況の一つは、土地の砂漠化である。砂漠化の防止?管理と國(guó)土の緑化は、砂漠化に対処する中國(guó)の國(guó)家的な行動(dòng)である。

　「第13次五カ年計(jì)畫(huà)」（２０１６～20年）の期間中、中國(guó)の砂漠生態(tài)系の保護(hù)と砂防対策の成果は著しく、砂漠化の防止?管理の任務(wù)を達(dá)成した面積は累計(jì)で１０９７萬(wàn)８０００?に及ぶ。砂漠エリアの生態(tài)狀況は全體的に好転し、生命力を象徴する緑が絶えず広がっている。

　緑化を進(jìn)め砂漠化を退ける

　青海省海西モンゴル（蒙古）族チベット（蔵）族自治州の烏蘭県は、中國(guó)の砂漠化の被害が最も深刻な地域の一つであるチャイダム（柴達(dá)木）盆地の東部に位置する。10年前、ここで砂漠化された土地の総面積は15萬(wàn)４５４０?９?に達(dá)し、同県の総面積の10％を上回った。

　「泉水灣」は烏蘭県のシリゴー（希里溝）鎮(zhèn)に位置する。地名だけ見(jiàn)ると清涼感あるこの地方だが、かつては風(fēng)が強(qiáng)く砂が空を覆い、干ばつと水不足の地だった。烏蘭県の砂漠化防止?管理プロジェクトの技術(shù)者?孟全菊さんは２００９年にこの仕事に參加、泉水灣が砂漠から緑地に変わる過(guò)程をその目で見(jiàn)てきた。「當(dāng)時(shí)、ここには道さえなく、輸送手段も不足していたため、基本的に人が背負(fù)ったり、擔(dān)いだりして苗木を山に運(yùn)びました。條件は非常に厳しく、最初の苗木の活著率はわずか30％でした」と、孟さんは當(dāng)時(shí)の砂防活動(dòng)を思い出し、砂漠に苗木を植えるのは子どもを育てるより難しいと嘆いた。

　「これは全て私たちが植えたものです。ほら、あそこの新しい苗木は、つい最近植えたばかりです」。高い坂の上から眺めると、かつての荒れた山は草木がうっそうと茂っていた。孟さんは、「植樹(shù)の成否は『３割が種、７割が保護(hù)』です。いま至る所で見(jiàn)られる砂防効果のあるイヌマキや低木、人の手で格子狀に埋め込んだ草は、砂の流失を食い止める『切り札』です」と語(yǔ)った。

　また泉水灣管理?保護(hù)ステーションのスタッフ?馬占軍さんは、「ここでは、どの木も『千金』に値します。私たちは毎日巡回して、自分の子どもに対するように心を込めて接しています。木がよく育っているのを見(jiàn)ると寶物を見(jiàn)つけたときよりもうれしいです」と顔をほころばせた。

　灶火國(guó)立砂漠化土地閉鎖?保護(hù)區(qū)は、烏蘭県ココ（柯柯）鎮(zhèn)の砂漠化が深刻な地域にある。烏蘭県は23年７月、この閉鎖?保護(hù)區(qū)でヘリコプターとドローンを組み合わせた初めての空中散布による造林を行った。

　烏蘭県自然資源?林業(yè)草原局の生態(tài)修復(fù)?二酸化炭素吸収弁公室の任正凡主任によると、「この時(shí)は、空中散布の効果を確実にするため、散布の前に種をペレット加工しました」と明らかにした。ペレット加工とは、特製のペレット化材料で種の表面を包むことで、種一粒の體積?重さを増やし、風(fēng)や寒さに強(qiáng)い種にし、種の活著率を高めることだ。同時(shí)に、この技術(shù)は種が飛ばされたりまいた位置がずれたりするのを減らすのにも役立ち、より正確に必要な場(chǎng)所に種をまくことができる。

　空中散布は、烏蘭県が絶えず模索してきた干ばつ地域の砂漠化の特徴に適した、砂漠化防止技術(shù)?管理モデルが見(jiàn)事に組み合わさった実踐の縮図だ。データによると、昨年末までに烏蘭県の森林被覆率は16?62％、草原の総合的な植生被覆率は40?68％に達(dá)した。こうして、「砂漠化が進(jìn)み人が後退」から「緑が広がり砂漠が後退」するという美しい新たな絵巻が、この地でゆっくりと展開(kāi)繰り広げられている。

　太陽(yáng)光で砂を金に変える

　大空の下、４４０萬(wàn)枚の整然と置かれた太陽(yáng)光発電パネルの青い「海」が広がっていた。風(fēng)が吹くと、太陽(yáng)光発電パネルの下の緑が湧き上がる。この壯観な光景は、內(nèi)蒙古自治區(qū)にある中國(guó)第７位の砂漠?クブチ砂漠の中で起きている。

　その拠點(diǎn)となる蒙西基地クブチでは昨年11月29日、２００萬(wàn)??の太陽(yáng)光発電の砂漠化防止プロジェクトに成功し送電網(wǎng)に組み入れられた。同プロジェクトの建設(shè)擔(dān)當(dāng)者である趙金泉氏は、「太陽(yáng)光発電と砂防にはもともと資源の補(bǔ)完という優(yōu)位性があります」と話す。さらに、「砂漠は面積が広く、日當(dāng)たりも十分なので、太陽(yáng)光発電に必要な土地と光の資源を提供しています。ソーラー発電パネルは太陽(yáng)光を吸収する一方で日光を遮り、砂漠の水分蒸発を減少させ、風(fēng)速を下げることに効果的で、植物の生態(tài)環(huán)境を改善することもできます」と紹介した。

　プロジェクトの建設(shè)期間中、ヨシによる砂防と流砂の固定工事も同時(shí)に展開(kāi)され、現(xiàn)在、太陽(yáng)光発電エリア全域が全てヨシの砂止めに覆われている。

　ソーラーパネルによって発電し、パネルの下には大量の良質(zhì)な牧草や漢方薬材が栽培されている。また、１０００ムー（東京ドーム約14個(gè)分）の砂漠牧鶏養(yǎng)殖プロジェクトも進(jìn)められ、一つの土地が三つの形で利用されている。太陽(yáng)光発電による電気は、砂漠化の防止?管理とグリーン産業(yè)発展のエネルギー需要を解決し、また砂漠地域の太陽(yáng)エネルギー資源の効率的な利用と砂漠のオアシス化という二つの収益も実現(xiàn)できる。

　太陽(yáng)光発電による砂防プロジェクトが行われている內(nèi)蒙古自治區(qū)オルドス（鄂爾多斯）ハンギン（杭錦）旗のドゴイタラ（獨(dú)貴塔拉）鎮(zhèn)に暮らすお年寄りの劉さんは長(zhǎng)年、畑作と放牧をなりわいとしてきた。環(huán)境の制約があって収入に余裕はなく、出稼ぎに出ようともしたが、面倒を見(jiàn)なければならない家庭を手放せなかった。だが、太陽(yáng)光発電砂防プロジェクトの開(kāi)始後、劉さんはソーラーパネルを取り付ける仕事に加わり、一生懸命働いて収入を増やした。

　統(tǒng)計(jì)によると、同プロジェクトは建設(shè)期間中、延べ１０００人を超える農(nóng)牧民の雇用を?qū)g現(xiàn)した。送電事業(yè)が始まると、同プロジェクトは毎年延べ５００人を安定的に受け入れ、パネルの取り付けや洗浄、パネル下の農(nóng)作物の栽培?管理、牧畜業(yè)などの仕事に従事させる見(jiàn)込みだ。

　春の暖かい日差しの下、クブチ砂漠の太陽(yáng)光発電パネルの「青い海」は、パネルの下の波のような緑と相まって、この土地により多くの希望と活力を加えている。

　「人民中國(guó)インターネット版」2024年5月14日