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高山族

 高山族は中國臺灣省の一部地域に分布している。高山族には異なった言語とルーツをもつ阿美、泰雅、排灣、布農、魯凱、卑南、曹、賽夏、雅美という九つの部族が存在する。

 

『手をとる踴り』

   『手をとる踴り』は高山族の民間の踴りの中で最も長い歴史のある踴りであり、1000年の歴史があるといわれている。それは広い範囲に伝わっており、各部族が結婚式、めでたい祭日の時にすべてこの踴りを踴るのである。

『手をとる踴り』は男女とも參加することができ、日常の娯楽の際には、少ない場合は3、5人、多い場合は數十人、盛大な祭日には數百人にも達する。人々は一つの輪またはいくつかの輪を囲んで、手をつなぎ合って歓聲を上げて歌い、足をそろえてステップを切り換え、足を揃えて挙げたり地団太を踏んだりし、非常に壯観である。熱気に満ちた踴りの中で、何人かの男性は興奮して腰を曲げて長いキジの羽毛で地面を払い、さらに體を起こして引き続き前へ跳ね、體は絶えず起伏し、羽毛の冠が振られて上下に舞うようになる。歌や踴りに長じていることは阿美の若い男女が結婚相手を選ぶ際の重要な基準の一つである。もしもある若者が娘さんに気に入られたら、その娘さんは一般には黙ってその男のそばに來てともに踴り、一人の男のそばに同時に數人の娘さんが肩を並べて踴ることもある。

『手をとる踴り』の動作は主に「踏み出しのステップ」、「片足を退くステップ」、さまざまな方向へ「足を上げる」、「足踏みをする」などのステップからなるものであり、リズム、組み立て方がひんぱんに変わるため、ステップは非常に豊かである。男性にはまた、大きく前へ跳ね、完全にしゃがんで続いて體を立て直すなど激しい動作がある。

手をとる方法は2種に分かれている。1、両側の人と手をとることであり、普通は「小さな手を取る方式」といわれ、そのうち、また手を取り合うことや小指で互いに取り合うなどの異なったやり方がある。2、1人置きに手をとり合い、互いに交錯した形で腕をつなぐように手を取ることであり、普通は「大きな手をとる方式」といわれている。「小さな手を取る方式」の時、両腕は前後、上下へと大きく振るかまたは體の両側に曲げる。「大きな手をとるやり方」の時には、腕を振ることはできない。『手をとる踴り』の多くは輪に沿うか輪の中心に向かって進退するものであり、このほかに、シングルの隊形、ダブルの隊形、スパイラルの隊形、しっぽを揺り動かす竜などの隊形もある。

踴る中で、一般に1人の歌い手でもあり踴り手でもあるものが音頭をとることになっている。歌詞の內容には先祖を偲ぶもの、英雄をたたえるもの、豊作を祝うもの、野良仕事に精を出すよう勵ますもの、人々の結束の力を歌うもの、および即興的に歌うものなどがある。歌詞には往々にして別にはっきりした概念を表わすものではない言葉、盛り上げる役割を果たす言葉、例えば「なろわんないなよ」、「いんねよほいんへいや」などがたくさんあり、歌のある段落は初めから最後まで全部これと言った概念を表わすものではない言葉であることも、始めまたは中途にいくつかのそうした言葉を差し込むこともある。

 

『杵踴り』

   『杵踴り』は高山族の布農部族の伝統的な労働の踴りである。踴る時、女性たちは民族の衣裝をまとい、頭に摘み取ったばかりの花をさして、1人ずつ「杵の棒」を手にして、互いに組み合わせて臼または厚い石の板をたたき、「杵の棒」の長さ、太さがまちまちであるので、異なる音をたて、美しい音楽を形成することになる。女性たちはたたきながら歌ったり踴ったりし、そろってグループになって搗いたり、入り亂れて搗いたりし、後ずさりしたり集まったりし、足で地だんだを踏んだり左右に揺れ動いたりし、ユニークな踴りである。

現在、一部の臺灣省の景勝地では、『杵踴り』はすでに歌、踴り、音楽を一體化したパフォーマンスとなっている。

 

『口弦踴り』

 『口弦踴り』は高山族の泰雅人の間で伝わっている踴りである。口弦は竹製のもので、幅が1.5センチ、長さが約10センチ、中心部に銅製の舌があり、口弦を二枚の唇の間に置いて、手で口弦の尾端につけられている小さな縄を引くと音楽が奏でられる仕組みになっている。精緻なつくりの口弦の中に3、4枚の舌があり、音の高低はまちまちである。ほとんどの泰雅人は口弦が好きなばかりでなく、口弦づくりにも長じている。娘さんたちは時々限りなく情熱をこめて丁寧に口弦を作り、それを婚約のしるしとして意中の人に贈ることになっている。

『口弦踴り』は1人または多數の人で踴ることができ、踴り手たちは弾きながら踴るのである。女性が踴る時、上半身を左右に揺り動かし、そして「足挙げ」、「足踏み」などの動作をする。男性が踴る時は、始めはややスローモーションで、それからだんだんテンポを上げ、片足が跳ね、片足を前へ上げたり後ろへ曲げたりし、両足を交互に動かし、さらにはしゃがみ込んだままで跳ねたり回ったりし、それから立ち上がって旋回したり跳ねたりし、動作はかなり激しく、最後にスローモーションの踴りに戻るというものである。

 

『髪の毛の踴り』

蘭嶼島に住んでいる高山族泰雅人の女性は『髪の毛の踴り』が得意。踴りに參加する人はすべて真っ黒で長い髪の毛および力強くて丈夫な體質の人たちである。踴り手の人數は限られない。彼女たちはまず長い髪の毛を振り回すようにして、ゆっくり歌を歌い始め、ステップにつれてゆっくり體と長い髪の毛を揺り動かし、それから互いにしっかりと腕をつないで、腕の肘以下の部分を胸の前に曲げるかまたは両腕を伸ばして互いに後ろから腰に當て合う。スピードアップにつれて動作の幅も大きくなり、両足で跳ねると同時に髪の毛を前後へ振り、前へ振る時、腰は前へ曲げ、髪の毛の先が地面に屆くようにしなければならない。それから、髪の毛を後ろへ振り、腰を立て直して、振り回された髪の毛が短い「逆さに立つ」狀態を経て、はじめて頭の後ろに落ち著き、これをくり返すのである。

 

「チャイナネット」2005年6月10日




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