中國と歐州の研究者は、新型肺炎(SARS)ウイルスの増殖を抑制する化合物をこれまでに15種類発見した。杭州市で18日に行われた、中國と歐州連合(EU)によるSARS共同研究プロジェクトの定例會議で明らかにされた。SARS治療薬の開発に、新たな道を切り開くものだ。
中國側調整役を務める中國科學院北京ゲノム研究所の楊煥明所長によると、SARS治療薬の生産には、さらに動物実験と臨床試験による検証が必要。同プロジェクトは2004年5月に始動し、研究費用190萬ユーロはEUが負擔。3年以內に50種類の抑制物質発見を目指している。
研究ではほかに、動物の體內から2種類のコロナウイルスを発見し、DNAの塩基配列の分析によりSARSウイルスと同源であることが突き止められた。このウイルスはオランダと香港でそれぞれ発見され、昔から動物の體內にあったとみられる。研究者は、動物から人への感染を防ぐため、引き続き警戒するよう呼びかけている。
「人民網日本語版」2005年6月20日