肌のしくみをよく知って
"お肌の曲り角"という言葉があるが、女性なら誰でも、肌のくすみ、小じわ、シミ、カサツキなどの、肌の衰えが大変気になる。年齢とともに肌やからだの機能が衰えていくのはやむをえないことであるが、年相応よりも若く保ちたいものである。
寒くなってくると、肌のカサツキ、肌荒れ、小じわなどが、いつにも増して気になり始める。肌は表面を角質層におおわれた表皮がある。角質層にある天然保濕因子と呼ばれる成分や脂肪分が、肌の水分を保持するように働く。表皮の內側には真皮がある。真皮の大半を占めるコラーゲンとエラスチンは、肌のハリをつくっている。これらの機能の低下と、肌の新陳代謝が悪くなるのが、肌の老化の原因である。
肌の老化に紫外線が大敵なのは、よく知られている。冬の季節は、紫外線は弱くなるので、紫外線の強い初夏から夏までのような紫外線対策は必要ないだろう。もちろんスキーや冬山登山などは例外である。冬の肌の大敵は乾燥である。晴天が続き、暖房を入れていると、室內の濕度は40ー50%、時にはそれ以下になる。肌に最適な濕度は80%、角質層の水分は、外気の濕度に比例し、乾燥した室內では10%以下になってしまう。さらに、肌に水分や栄養を供給する毛細血管が、寒さのために収縮するので、角質層への供給が十分にできなくなるのである。寒い冬は運動をすることも減るので、血液の循環が悪く、水分や栄養を供給しにくくなる悪條件が重なる。冬は肌にとって過酷なシーズンなのである。
肌の健康を保つために
肌は健康のバロメーターと言われるくらい、健康狀態、食事の內容が、そのままトラブルになって現われてくる。若々しくハリのある肌を保つための食事のポイントは、
1.良質のたんぱく質をとる
肌は主にケラチンというたんぱく質からできている。ケラチンを構成しているアミノ酸は、魚?肉、乳製品、卵などに多く含まれているので、毎日欠かさずとること 。
2.ビタミンA、B2、Cを不足なくとる
ビタミンAは表皮の新陳代謝に必要。不足するとカサカサの肌になる。B2は皮脂の分泌をコントロールし、肌を滑らかにし吹き出もの、ニキビを予防する。Cはメラニン色素の沈著を防ぎ、シミ、ソバカスを防ぐ。肌にハリをつけるコラーゲンの生成にも欠かせない。ビタミンAは加熱して油と一緒にとると吸収がよくなる。ビタミンCは熱、水、光に弱いので、手早く調理するのがポイント
3.鉄をしっかりとり、貧血を解消する
女性に多い貧血は、顔色を悪くし、肌への栄養の供給を悪くする。鉄をしっかりとり貧血を解消すると、肌の色がよくなる。鉄はたんぱく質、ビタミンCと一緒にとると、吸収率をよくできる。
以上のような點を食事で気をつけたうえで、睡眠を十分にとる、入浴して血行をよくする、タバコを吸わないといった日常生活での注意をすることで、若々しい肌が保てる。もちろん、寒さに負けずに積極的に體を動かすことも、とても大切なことである。
「CRI」より 2005年11月25日